ニューヨーク(CNNMoney) 米ロサンゼルス空港で先ごろ、中東から帰国した米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の記者が一時拘束され、携帯電話を押収されそうになったことが明らかになった。
拘束されたのは同紙で中東地域を担当するマリア・アビハビブ記者。21日にことの顛末(てんまつ)をフェイスブックに投稿した。
アビハビブ記者は14日、ベイルートからの便でロサンゼルスに到着。入国審査の列に並んでいたところを拘束され、国土安全保障省(DHS)の職員から尋問を受けたという。同記者は米国とレバノンの二重国籍だ。
「1時間にわたって尋問を受けた。これまでの経験から、いらいらしたり敵意を見せるとろくなことはないのが分かっていたから、明るく返事をした」と同記者は書いた。
そしてDHS職員は「情報を集めるため」と称して記者が持っていた携帯電話2台を渡すよう求めたという。
「それは容認できなかった。私は職員にこう言った。私には米憲法修正第1条が定めたジャーナリストとしての権利があり、あなたにそれを侵害することはできないと」
するとDHS職員は「米国境から160キロ以内であれば政府には電話を押収する権利がある」と記された書類を提示したという。
そこで記者は、携帯電話は会社の所有物なので社の弁護士に連絡するよう求めた。職員は上司と相談するために席を外し、30分後に同記者は釈放された。
この1件により、国境警備に関して2013年に新しい規則が導入されたことが世に知られるようになった。この規則に基づき、当局には犯罪の「合理的な疑い」がなくても入国する人物の電子機器を取り調べる権限が与えられている。