シリア反体制派、幼い少年の首はね殺害 「手違い」認める

2016.07.21 Thu posted at 11:24 JST

(CNN) シリア反体制派の武装組織が幼い少年の首をはねて殺害する映像をソーシャルメディアに投稿し、後に「個人的ミス」だったと発表した。

映像の中の少年は、トラックの荷台に乗せられて反体制派の戦闘員と思われる数人に囲まれ、おびえ切った様子に見える。反体制派はこの少年について、パレスチナ人で構成されるシリア政権寄りの民兵組織「クドス旅団」の捕虜で、アレッポ北部の難民キャンプで拘束したと主張。続いて男の中の1人が少年の頭部に刃物を当てた。

少年は10歳前後に見えたが、年齢や身元は確認できていない。

クドス旅団はこの少年について、同旅団とは無関係で捕虜ではなく、家族と一緒に暮らしていたと説明している。「テロリストの支配地域で暮らす多数の貧しい一家の中の1人だった」という。

問題の映像について、反体制派の一派がフェイスブックに掲載した声明で、少年の殺害は「個人的なミス」だったと認めた。同組織は「ソーシャルメディアサイトで共有された人権侵害」について調査すると説明。事件に関与した男は拘束され、捜査のために設置された「司法委員会」に引き渡されたとしている。

一方で同組織は、シリアのアサド政権が殺人兵器と化し、何千もの市民の命を奪っているとして非難。国際社会も同政権の戦争犯罪に沈黙していると批判した。

シリア反体制派でつくる「シリア国民連合」は、問題の映像に「深い衝撃」を受けたと表明。ただ、同組織が少年殺害を不適切だったと認めたことは評価し、「この事件の犯人を処罰するための法的手順」を見届けるとした。

国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、「武装組織の一部メンバーが深い悪行に染まっていることをうかがわせる。捕虜が即座に殺害されていることも改めて実証された。これは戦争犯罪に該当する」と指摘した。

シリア国営SANA通信は少年の殺害にかかわった組織について、トルコの支援を受けていると非難。トルコのエルドアン政権が「国境を越えてテロリストをトルコからシリアへ送り込み、このような犯罪を実行させている」とした。

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