英国のジョンソン新外相に鋭い質問 米国務長官と共同会見

記者会見を行うジョンソン英外相(左)とケリー米国務長官

2016.07.20 Wed posted at 20:17 JST

(CNN) 英国で欧州連合(EU)からの離脱運動を率い、先週外相に任命されたばかりのボリス・ジョンソン氏が19日、ロンドンを訪れたケリー米国務長官との会談に続き、就任後初の記者会見に臨んだ。

ジョンソン外相とケリー長官は会談で、世界情勢や米英間の「特別な関係」について語り合った。

会談後に外務省で開かれた共同記者会見では、記者団からジョンソン氏に鋭い質問が飛んだ。

AP通信のブラッド・クラッパー氏は、ジョンソン氏が「世界の首脳や著名人に対する侮辱的な発言」を繰り返してきたと指摘。オバマ米大統領は父親が英国の元植民地であるケニアの出身だから「大英帝国への反感を祖先から受け継いでいる」と述べたり、米民主党の大統領候補に確定しているヒラリー・クリントン前国務長官を「精神病院のサド看護師」と呼んだりした発言を例に挙げた。

そのうえで「これらの発言を撤回するのか、それともあなたがどんなタイプの外交を実行するかを示す一種の指標として、そのまま外相の仕事に持ち込むつもりか」と問い掛けた。

ジョンソン氏に鋭い質問が飛んだ

これに対してジョンソン氏は、口ごもりつつ長々と話すいつもの調子で「私の発言がどういうわけか誤解され、それらがあまりに膨大な語録になっているので、関係者全てに謝罪して世界中を回るには時間がかかりすぎる」とコメント。「きちんとした文脈」で対面した相手なら自分を理解してくれているとも述べた。

ジョンソン氏はまた、自身に対する批判よりも、シリアの人権危機など米英両国が直面する問題を優先するべきだとの考えを示唆した。「エジプト」の情勢悪化にも2回言及したが、これはトルコのクーデター未遂を指していたとみられる。

同氏にはさらに、「とんでもない誇張や真っ赤なうそを長年繰り返してきたあなたを、米国の国務長官やほかの人々は信頼できるだろうか」との質問も投げ掛けられた。ジョンソン氏はこれに対しても「目の前の重大な課題」に集中するべきだと反論した。

ケリー氏は外交の達人らしくほとんど表情を変えずに対応し、「どちらの政権が変わっても、米英両国の間にある絆が変化したり揺らいだりすることはない」と強調した。

英国のジョンソン新外相、初の記者会見

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