共和党全国大会、波乱の幕開け 反トランプ派の異議で騒然

共和党の大会規則の承認手続きをめぐり、反トランプ派が激しく抗議する一幕があった

2016.07.19 Tue posted at 12:00 JST

クリーブランド(CNN) 米大統領選に向けた共和党全国大会が18日、オハイオ州クリーブランドで始まった。大会では実業家ドナルド・トランプ氏が同党候補として正式に指名される見通し。だが冒頭で反トランプ派の代議員らが大会規則の承認手続きに異議を唱え、会場は一時騒然となった。

大会規則は開会直後に承認されるのが通例となっている。議長を務めるウォマック下院議員が発声による採決を取ったところ、一部の代議員から反対の声が上がった。ウォマック氏が賛成多数を宣言したのに対し、反トランプ派は全員に順に賛否を問う「ロールコール方式」の採決を要求。これに対抗してトランプ氏を支持する代議員らが同氏の名前を唱えるなど、党内の分裂を象徴する異例の事態となった。トランプ氏の側近らはこの展開に驚いた様子で、対応に追われた。

反対派の代議員が怒って身分証明書を床にたたきつけたり、コロラド州の代議員団が一斉に退場したりする場面もみられた。

党大会でトランプ氏の指名自体を覆すことは不可能とみられる。しかし反対派は、各州の予備選を登録済みの共和党員しか投票できない「クローズド方式」とすること、党大会で予備選の結果に拘束されない自由な投票を可能にすることなどを主張。「将来」の党候補選びに向けて変更を求めると力説した。

異議を唱えたのはトランプ氏と争ったクルーズ上院議員を支持するグループだという

ロールコール方式での採決には7州以上の代議員団からの要請が必要とされるが、ウォマック氏は最終的にこのラインには達していないと判断し、要請を却下した。

反対派を主導したのは、今回の指名争いでトランプ氏に敗れた保守派の上院議員、テッド・クルーズ氏への支持で知られるグループだった。2020年大統領選でクルーズ氏を擁立するための布石が目的だったとの指摘もある。

トランプ陣営を率いるポール・マナフォート氏は、この日の動きを「意味のないジェスチャーだった」と批判した。党全国委員会の広報担当者も「ごく一部のグループが騒いだだけだ」と語り、党内の不満が噴出したとの見方を否定した。

反トランプ派の抗議に会場騒然

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