仏ニース・テロ 容疑者は「急速に過激化」、当局も把握せず

仏内相は容疑者が「急激に過激化」したとの見方を示した

2016.07.17 Sun posted at 11:45 JST

(CNN) フランスのカズヌーブ内相は16日、南部ニースで大型トラックを運転し、群衆に突っ込んだモハメド・ラフエジ・ブフレル容疑者(31)は、過去のある時点で急速に過激思想に染まったとの見方を示した。

カズヌーブ内相によると、ブフレル容疑者は武装攻撃にかかわる声明を出した前歴もなく、情報当局の監視対象にもなっていなかった。

内相は同容疑者の「急速な過激化」について具体的には説明しなかった。ただ一方で、今回の事件は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」から直接訓練を受けないままISISの主張に呼応し、極めて暴力的な犯行に及んだ「新種の攻撃」だと指摘した。

ISIS系のアマク通信は16日、ISIS支持者らからの投稿として、ISISの「兵士の1人」がニースの攻撃を実行したとする声明を伝えた。ISISと戦う有志連合の国民を狙うよう求める呼び掛けに応じた攻撃だとしている。

犠牲者におくられた花束=16日、ニース

ISISによる直接の犯行だったとは宣言せず、実行犯が呼び掛けに応じたと主張する文言は、先月米フロリダ州オーランドのナイトクラブで起きた銃乱射事件でISISが出した声明と共通している。

ブフレル容疑者はチュニジア出身だが、仏国内に滞在、就労する許可を得ていた。捜査当局は15日、同容疑者の元妻を拘束。検察によると、当局は16日、元妻と男性4人から事情を聴いた。

カズヌーブ内相は、同容疑者とイスラム過激派のつながりを示す証拠は見つかっていないと述べた。

しかし捜査状況に詳しい情報筋がCNNに語ったところによると、ニースからシリアへ渡航し、現地で仏戦闘員部隊を指揮しているセネガル出身の男の関係者が、同容疑者の電話番号を持っていたことが分かった。当局はこの人物と容疑者との間にどんな関係があったかを詳しく調べている。

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