米金融公社、中国からのサイバー攻撃被害を隠ぺい 下院委

連邦預金保険公社(FDIC)のコンピューターが中国から不正侵入を受けていた

2016.07.14 Thu posted at 15:37 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米下院科学・宇宙・技術委員会は13日、連邦預金保険公社(FDIC)が2010~13年にかけて中国からサイバー攻撃を受けていたが、それを隠ぺいしようとしていたとする調査報告書を公表した。

下院の調査チームの報告書によれば、中国政府はFDICのコンピューター12台とサーバー10台への侵入に関与した。総裁らFDIC幹部の機密情報の入ったコンピューターも被害に遭ったという。

またFDICはサイバー攻撃を受けたことを調査チームから隠そうとしたという。例えば法務関係者は職員に対し、公的な記録に残るのを避けるために電子メールでサイバー攻撃について触れることを禁じたという。

FDICからのコメントは得られなかった。だがFDIC自身も最近行われた内部調査で、議会に対し「リスクの規模について正確に伝えなかった」ことを認めている。FDICではルールの改正に取り組んでいるという。

FDICはそれを隠そうとしていたことも明るみに

FDICは米銀行業界の規制を担う組織であり、サイバー攻撃が明らかになったことで深刻な懸念を招いている。

銀行の監視を業務の1つとするFDICは、約4500行の機密度の非常に高い内部情報にもアクセスできる。全米の銀行の預金保険も取り扱う関係でも大量の情報を入手可能だ。

サーバー攻撃があったことは、調査チームがFDICの13年の内部文書を入手したことから明らかになった。文書は監察官から総裁に宛てたもので、サイバー攻撃の模様が詳細に記され、「(FDICが)自身のルールを破り、適切な当局への通報を怠った」と非難していた。

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