大人気のポケモンGO、追悼施設では「不謹慎」の声

追悼施設などでのプレーには批判の声も上がる

2016.07.13 Wed posted at 19:55 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米国などで6日に先行公開されたスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」で、首都ワシントンにあるホロコースト記念博物館やアーリントン国立墓地などの追悼施設にもキャラクターの「ポケモン」が配置されていることに対し、一部から「不謹慎だ」と抗議の声が上がっている。

ホロコースト記念博物館には、第2次世界大戦中のナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺の資料などが展示されている。広報部門の責任者はCNNMoneyへの談話で、「犠牲者のための追悼施設でポケモンGOのゲームをするのは極めて不適切」との見解を示した。

そのうえで、同博物館をゲームから外してもらうよう要請しているところだと述べた。

ワシントン市内ではほかに、戦没者が葬られているアーリントン国立墓地も、「敷地内でのポケモンGOは適切な行為ではない」とツイート。墓地をゲームに使わないでほしいと訴えた。

ポケモンGOは、スマートフォンの画面上で現実世界に重なって現れるポケモンを捕まえるゲーム。サイトには、問題になりそうな場所を報告できるリンクが設定されている。

ポケモンはこのほかにも、ナチスの強制収容所跡地にあるポーランドのアウシュビッツ博物館や、米ロサンゼルスのホロコースト博物館、ニューヨークの同時多発テロ現場に建てられた9.11記念博物館、ワシントンのベトナム戦争戦没者慰霊碑、国立公園内の記念物などに登場しているようだ。

アウシュビッツ博物館の報道担当者はCNNMoneyに「ポケモンGOのことはよく分からないが、館内でゲームをした画像がツイッターに投稿されているのを見た」と指摘。博物館が使われるのは「断じて不適切」だと述べた。

ポケモンGOではまた、ほかのプレーヤーとポケモンを戦わせて陣取り合戦をする「ジム」や、道具が手に入る「ポケストップ」という場所が指定されている。

ゲームを開発したポケモン・カンパニー・インターナショナルとナイアンテックによると、ジムやポケストップは一般市民が出かけていける史跡やパブリックアート作品、博物館などに配置された。配車サービスのリフトやツイッター上の情報によると、この中にはキリスト教会なども含まれているようだ。

指定を外してもらう手続きの詳細は公表されていないが、ロサンゼルス・ホロコースト博物館によると、要請してから約1時間で解除が完了したという。

一方、ワシントン中心部の緑地帯、ナショナル・モールのように、ポケモンGOのプレーヤーを歓迎している場所もある。モールを管理する国立公園局は、フェイスブック上でポケモンとの記念撮影を促しながら、「記念施設や周囲の人々への気配りも忘れずに」と呼び掛けている。報道担当者によると、ポケモンGOに関連したトラブルは今のところ起きていないという。

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