香港の「天安門事件」記念館が閉館、移転めざし資金集め

香港の「六四記念館」が閉館となった

2016.07.12 Tue posted at 16:46 JST

香港(CNN) 1989年6月4日に起きた天安門事件の資料を展示している香港の「六四記念館」が、11日に閉鎖された。運営団体は別の場所への移転をめざし、資金集めを進めている。

同事件では、民主化を求めて天安門広場に集まった学生らが中国人民解放軍に弾圧され、多数の死者が出た。中国本土では今も事件に関する言論が厳しく制限されている。一方、特別行政区として一定の自由が認められている香港では毎年、事件の犠牲者を追悼する集会も開かれている。

記念館は事件を扱った中国でただひとつの博物館として、九龍地区にある商業ビルの5階に開設されていた。

運営してきた民主派の団体は9日、ビルを所有する法人からの圧力で閉鎖に追い込まれたと述べた。同団体は、オーナー側がこれまで来館者に名前や個人情報の記入を義務付け、人数を制限するなどして運営を妨害してきたと主張する。

天安門

オーナー側はまた、記念館をビルの使用規約違反だとする訴えも起こしている。オーナーの代表者は2014年、この訴訟をめぐるラジオ局とのインタビューで、中国当局からの政治的圧力は「断じてない」と主張。記念館を訴えた理由として、来館者が突然増えた場合の安全面の懸念などを指摘していた。

記念館には銃弾の穴が残るヘルメットや当時の新聞記事、ビデオ映像などが展示されていた。

運営団体はこれらをより広い場所へ移そうと、インターネット上で不特定多数から資金を募る「クラウドファンディング」に取り組んでいる。新たなスペースを購入するための目標額1000万香港ドル(約1億3000万円)まで達するには、あと300万香港ドルが必要とされる。

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