英首相、13日に交代 メイ内相が就任へ

次期英首相のテリーザ・メイ氏

2016.07.12 Tue posted at 11:03 JST

ロンドン(CNN) 英国のキャメロン首相が13日に辞任し、テリーザ・メイ内相が同日中に後任に就く見通しとなった。キャメロン氏の辞任表明を受けた与党・保守党の党首選で、メイ氏と対決する予定だったアンドレア・レッドサム・エネルギー担当閣外相が撤退を表明したためだ。

保守党議員らで構成し、党首選を主導する「1922年委員会」は11日、メイ氏が党首となることが正式に決まったと発表した。

メイ氏はこれを受け、優先課題として欧州連合(EU)離脱の実行と国内の団結、一部の特権階級だけでなく全国民のために「強くて新たな前向きの将来像」を描くことを挙げた。

英国の議院内閣制では、与党の党首が自動的に首相となる。先月の国民投票でEU残留を主張していたキャメロン氏は、離脱派勝利の結果を受けて、10月までに辞任すると表明していた。

13日に辞任する見通しとなったキャメロン英首相

党首選の決選投票は、残留派だったメイ氏と離脱派のレッドサム氏の争いになる予定だった。しかしレッドサム氏は、子どものいないメイ氏に比べて自分は「母親だから」首相に向いている、と主張した発言などが批判を浴びていた。

同氏は11日、「メイ氏は党内で60%の支持を得ているし、EU離脱の実行を約束している。国益のためには強い指導者が必要だと判断した」と述べ、撤退を発表した。

キャメロン氏はこれを受け、官邸前で記者団に「移行に時間をかける必要はなくなった。私は明日、最後の閣議を開き、13日には下院の首相質問に出た後、バッキンガム宮殿で正式に辞任を申し出る。その場に新首相が控えていることになる」と語った。

同氏はレッドサム氏の撤退の決断を歓迎すると述べ、メイ氏が英国を正しい方向へ導くことを確信しているとして「全面的な支持」を表明した。

メイ氏はEUからの離脱のプロセスを進めると明言している

英国の首相がこれほど早い段階で決まった例は過去にない。保守党の党首選では下院議員の投票で5人の候補者が2人にしぼられたが、党員15万人が参加する予定だった決選投票は中止された。これに対し、野党の労働党、自由民主党などから「非民主的な手続きだ」と批判する声もあがっている。

メイ氏は真面目で仕事熱心な人物として知られ、「鉄の女」の異名を取ったサッチャー元首相によく似ているとの指摘もある。

EU懐疑派とされながら残留支持の立場を取っていたが、11日には「EUからの離脱を成功させる」と言明。「残留をめざしたり、裏口から再加盟を試みたりすることはない。再投票も実施しない。投票で離脱が決まったのだから、首相として離脱を確実に実行する」と断言した。

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