米ダラス警官銃撃 容疑者、さらに大規模な犯行計画か

事件当日のデモの経路と、銃撃戦や立てこもりのあった地点=Google Maps/CNN

2016.07.11 Mon posted at 10:39 JST

(CNN) 米テキサス州ダラスで警官5人が死亡した狙撃事件をめぐり、ダラス市警のデビッド・ブラウン本部長は10日、実行犯のマイカ・ジョンソン容疑者がさらに大規模な犯行を計画していたとの見方を示し、同容疑者を爆殺した判断の正当性を主張した。

ブラウン氏がCNNの番組で語ったところによると、ジョンソン容疑者の自宅からは爆弾材料や日記が見つかり、起爆の練習を繰り返したり、さらに大きな標的を狙った攻撃の準備を進めたりしていたことが分かった。容疑者は「妄想」を抱いていたとみられ、日記には解読困難な長文がつづられていた。

容疑者が死亡する前、現場の壁に血液で「RB」と書いていたことも明らかになった。警察はこの文字の意味を割り出そうとしているが、まだ断定に至っていないという。

ブラウン氏によると、容疑者は立体駐車場に立てこもっている間、黒人警官との交渉にしか応じようとしなかった。2時間に及んだ交渉ではただうそを繰り返し、警察を笑いものにしたり歌を口ずさんだりした。何人の警官が死んだかと尋ね、もっと殺したい、爆弾はあるなどと話していたという。

CNNのインタビューに答えるダラス市警のデビッド・ブラウン本部長

交渉は全く進展せず、警官らにいつ襲いかかってもおかしくない様子だった。さらなる犠牲者を出さずに容疑者を止めるため、警官らがロボットによる爆殺を提案し、ブラウン氏がそれを承認したという。「あの状況に再び直面したら同じことをするだろう」と、ブラウン氏は話す。

ブラウン氏はまた、狙撃事件の夜に実施されていたデモで、ガスマスクや防弾ベストを装着し、自動小銃を肩から下げていた20~30人の参加者を逮捕していたことを明らかにした。武装してデモに参加すること自体は州法に違反しないが、事件発生後に関与が疑われたためだという。

同氏は番組のインタビューで、警官が命がけで市民を守っているのに市民から認められないのは片思いの関係に似ていると訴えた。また「警官たちは年収4万ドル(約400万円)で命をかけているのに応援してもらえない。我々は完璧ではないが、98~99%の警官はあるべき姿勢で仕事に臨み、それだけの報酬で任務を果たしている。(市民からのサポートなしに)このままもたせるのは無理だ」と力説した。

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