米国とロシア、相互の外交官を国外退去処分に

米ロが相互の外交官を国外退去処分に

2016.07.10 Sun posted at 14:21 JST

ワシントン(CNN) 米国務省は10日までに、モスクワの米外交官がロシア警官に襲われたことに対する対抗措置として、米国からロシア外交官2人を追放していたことを明らかにした。一方ロシア当局は9日、同国に駐在する米外交官2人を国外退去させたと発表した。

米国務省のカービー報道官は8日の記者会見で、米外交官の1人が先月、モスクワの米大使館に入ろうとしたところで警官に襲撃されたのは「いわれもなく我々の職員を危険にさらす行為」だったと非難。同17日にロシア外交官を追放したと述べた。

カービー氏はさらに、ロシアではこの2年間、米外交官らに対する悪質な嫌がらせが激しくなっていると強調した。

ロシア側は数日前に2人がもみ合う場面の映像を公開し、「警官は大使館を守ろうとしていた」と主張していたが、カービー氏はこれを「単なるでたらめ」と切り捨てた。同氏によれば、米政府は当初、この件を政府間の直接ルートで処理しようと試みたが、ロシア側が一方的に公表したために米国側も反論を余儀なくされたという。

一方、9日付のロシア国営スプートニク通信はリャブコフ外務次官の話として、同国が米国の「非友好的」な措置に対抗し、米外交官2人を「好ましからざる人物」として追放していたと伝えた。この報道について、米国務省は直接のコメントを避けている。

リャブコフ氏は「米政府はワシントンのロシア大使館員2人に対し、具体的な理由を示さずに退去を求めた」「米国務省は高官レベルでこの事実を非公開とするよう提案しておきながら、約束を守らなかった」と主張している。

米国務省は先月、ロシアで米外交官が脅威にさらされているとして、高官ルートを通じロシア側に抗議していたことを公表。モスクワ市内のほかの欧米諸国の大使館からも同様の報告があると指摘した。

これに対してロシア外務省の報道官は先月、米国内のロシア大使館や領事館が米シークレットサービスなどから挑発を受け、当局者との接触や移動を制限されていると主張していた。

米ロ間では最近、ロシア軍艦や戦闘機が米軍艦に異常接近したとの報告が相次ぐなど、軍事面でも緊張が高まっている。

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