(CNN) 米ミネソタ州とルイジアナ州で黒人男性が警官に射殺される事件が相次いだことを受けて7日、警察に対する抗議デモが全米に広がった。
ミネソタ州ミネアポリスでは州知事の邸宅前に朝からデモ隊が集結。参加者は1日を通して増え続けた。
同州ファルコンハイツ近郊では6日、黒人のフィランド・カスティールさんが警官に車を止められ、射殺された。
抗議デモの参加者は「黙っていては迎合になる」「私たちの街で黒人男性が警官の手にかかって殺害されている」と抗議。カスティールさんの母親は、カスティールさんが勤務していた学校前の集会で、「今回は私の息子だったけれど、次はあなたかもしれない。こんなことは今すぐやめさせなければならない」と訴えた。
ルイジアナ州バトンルージュでは、5日に黒人のアルトン・スターリングさんがコンビニエンスストア前で警官に取り押さえられて射殺された。
抗議集会では参加者が現場に花を供え、2014年にミズーリ州ファーガソンで起きた黒人少年射殺事件で有名になった「手を上げろ、撃つな」というフレーズを繰り返した。
教会で開かれた追悼集会には、ルイジアナ州のエドワーズ州知事も参列した。
いずれの事件も、射殺の場面をとらえた映像がインターネットに投稿されたことをきっかけとして、抗議の声が全米に広がった。
カスティールさんが射殺された際のビデオは婚約者が撮影。車の中で血を流してうめくカスティールさんの声も収録されていた。冷静さを保ちながら淡々と状況を伝えていた婚約者は、「神様、どうか彼を死なせないで」と涙声になった。
ニューヨーク市内では約1000人がデモ行進し、「Black Lives Matter(黒人の命も大切だ)」と訴えた。この行進は警察の許可を得ていなかったが、警察は、平穏に行われる限りは阻止しないとしている。
抗議デモはテキサス州ダラスやオースティンなど全米各地の大都市でも実施された。