ロンドン(CNN) 英国の欧州連合(EU)離脱を訴えてきた中心人物のひとり、ファラージ英国独立党(UKIP)党首は4日、「目的を果たした」として辞任を表明した。
ファラージ氏は、UKIPは国民投票以降「好位置」に立っているとの見方を示し、自身の政治的目的は達成されたと言明。「私は英国を独立国家にしたくてこの争いに飛び込んだ。職業政治家になるためではない」「国民投票は、自分の国を取り戻したいと訴えた。今は自分の生活を取り戻したい」と語った。
同氏は昨年もいったん党首辞任を表明したが、党員らに慰留されて現職にとどまっていた。
ファラージ氏は長年、欧州議会議員を務めつつ、EUが英国の主権に影を落としていると訴えて離脱を主張してきた。もともと保守党員だったが、1992年、EU創設を決めたマーストリヒト条約に英国が調印したのを機に脱退。同条約に反対するUKIPの創設メンバーとなった。
先月23日に実施された国民投票の後、CNNとのインタビューで「かつて私は頭のおかしいやつとして笑い飛ばされていた。離脱を支持する人もほんの一握りだった」と振り返り、「それが国民投票で1700万もの票を集めるとは、これほど幸せなことはない」と話していた。
EU域内からの移民に門戸を開放してきた英国の政策を長年にわたって批判し、移民の流入は社会の一体性を損ない分断を生むと主張してきた。その発言は、人種差別や外国人への嫌悪をあおるとして物議をかもすことも多かった。
同氏の辞任表明を受けて、UKIPでは後任の指導者探しが始まった。
一方で与党・保守党でも、EU残留を主張してきたキャメロン首相が辞任を表明したのに続き、後継者として有力視された離脱派リーダーのボリス・ジョンソン前ロンドン市長が党首選への出馬見送りを決定。新たな指導者選びが急務となっている。