ジッダ(CNN) サウジアラビアで4日、3件の自爆テロが相次ぎ、西部のイスラム教聖地メディナでは少なくとも4人が死亡、1人が負傷した。
いずれの攻撃でもサウジ治安部隊と欧米関連施設の両方が狙われた。犯行声明は出ていないが、イスラム世界では先週から、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」がかかわるテロ攻撃が続発している。
1件目は同日未明、西部ジッダにある米領事館のすぐ近くで発生した。実行犯1人が自爆し、警官が軽傷を負った。
東部カティーフで起きた2件目の爆発は、イスラム教シーア派のモスク(イスラム教礼拝所)を狙ったとみられるが失敗に終わり、その過程で自爆犯1人だけが死亡。負傷者はいなかった。
3件目のメディナで最も大きな被害が出た。同市はイスラム教の預言者ムハンマドが埋葬された場所で、同じく西部に位置するメッカに次ぐ聖地となっている。
情報筋によると、実行犯は治安部隊を狙って自爆した。死者4人の身元は明らかになっていない。
攻撃はイスラム教の断食月(ラマダン)最終日を控え、米国が独立記念日を祝うタイミングで実行された。
CNNの中東専門家によると、ISISによる犯行の手口と一致する。同専門家は「サウジはISISにとって大きな標的だ。戦闘員の中にも多数のサウジ人がいる。同国の君主制はイスラムへの裏切りとみなされている」と指摘する。
ISISは昨年8月、同国南西部にある緊急特殊部隊のモスクで少なくとも13人が死亡した自爆テロについて犯行声明を出していた。声明では、特殊部隊がISIS支持者への拷問に関与していると主張した。
CNNの国家安全保障アナリストによれば、ラマダン期間中にシーア派モスクや米施設、聖地を狙った攻撃には、「聖地の守護者」を自認するサウジ王室に恥をかかせる狙いがあった。しかしこのような攻撃に対しては、イスラム教自体から非難と困惑の声が上がるとみられる。