台湾で同性婚合法化の機運、年内にも法案 アジア初実現か

台湾で同性婚合法化の機運が高まりつつある

2016.07.04 Mon posted at 17:32 JST

台北(CNN) 一般にも政治家の間でも性的少数者(LGBT)への理解が広がっている台湾で、同性婚を合法化する法案が年内にも国会に当たる立法院に提出される見通しとなったことが4日までに分かった。複数の議員がCNNの取材に明らかにした。

台湾のLGBT文化の中心地、ダリダでゲイバーを営むアルビン・チャンさん(45)は、「きっと同性婚は間もなく合法化される」と期待する。店の壁には同性婚の合法化を訴えるポスターが張ってあった。

台湾には大規模な同性愛者のコミュニティーがあり、LGBTの権利擁護に関してはアジアで最も進んでいる。

同性のパートナー同士の性的関係は法律で認められ、職場や学校での性的指向に基づく差別は禁止。法的な性別を変更することも認められ、同性愛者の権利をアピールするアジア最大規模のゲイパレードが毎年開かれている。

リベラル系の民進党が躍進し、5月には蔡英文(ツァイインウェン)氏(59)が女性として初めて総統に就任したことで、アジアで初となる同性婚の合法化に向けた機運が高まった。

ゲイバーを営むアルビン・チャンさん

蔡総統はこれまでにも繰り返し、両性の平等とLGBTの権利尊重を支持すると表明し、昨年のゲイパレードではフェイスブックに「結婚の平等を支持する。誰もが自由に愛を追求し、自分の幸福を自由に追求できなければならない」と書き込んでいた。

それでもLGBTの人たちの多くは、自分の親に対して、あるいは職場でそのことを打ち明けられずにいる。

年配者は同性愛に対してまだ抵抗感が強く、政治的な影響力が大きい保守層やキリスト教団体などは同性婚に反対している。

同性婚を合法化する法案は2012年にも立法院に提出されたが、委員会レベルで挫折した。同法案を提出した民進党の議員は、年内に再提出する準備を進めている。すぐに通過する公算は小さいものの、超党派の支持が集まっているといい、蔡総統の任期が切れる2020年までに結婚の平等を実現させたい考えだ。

同党と対立する国民党の議員も、LGBTの権利は最優先課題であり、民進党議員との連携に値すると語った。

改正法案には、同性のカップルを結婚したカップルとして登録することや、財産や不動産の相続、代理親契約などの権利を明記することが検討されている。

同性婚への支持の高まりは世論調査にも表れている。台湾の司法省がインターネットを通じて昨年実施した世論調査では、同性婚の合法化を支持するという回答が71%に上り、それまでの調査よりもさらに増えた。

台湾のマクドナルドは若い男性が自分の父親にカミングアウトするCMを流し、宗教団体は反発したものの、世論調査では圧倒的に好感度が高かった。3月4日にユーチューブに投稿されて以来、支持は9600件、不支持は600件にとどまっている。

台湾で話題のCM、同性愛をカミングアウト

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