ロンドン(CNN) ロンドン中心部で2日、欧州連合(EU)からの離脱に反対する市民らが大規模なデモを実施した。
英国の国民投票は離脱派が52%と、残留派の48%を上回る結果になった。デモ隊は「私たちは48%。うそと憎悪はもうたくさんだ」と唱え、市中心部のハイドパーク付近を行進した。
主催者の発表によると、デモには約5万人が参加した。参加者はさまざまな年代にわたったが、特に20代の若者の姿が目立った。
大きな赤いハートに「ヨーロッパ」と書かれたTシャツ姿の女性(29)は「民主的な投票の結果だと理解しているが、民主主義社会では結果に異議を唱えることもできるはず。私は残留を願っている」と語った。
工場に勤める男性(31)は「(残留派と離脱派の)双方がうそをついた」「EUに対して、我々は愚かな人種主義者ではなく、そういう人はほんの一部にすぎない、いつでも皆さんを歓迎すると訴えたい」と話した。
主催団体の報道担当者はCNNに「EUを支持し、我々の声が届くことを願っている。政府の行動を求める」「現状ではリーダーシップが完全に欠如し、政府は混乱状態にある。国をどうするかという計画がなく、だれもが将来を心配している」と述べた。
参加者らが掲げるプラカードには経済、民主主義、安全保障に対する懸念や、活動家とメディアから提供される情報への疑念が表れていた。「分断した欧州は危険だ」「メディアと議員よ、恥を知れ」といった標語もみられた。企業が本社や工場を英国外へ移し、雇用が流出する可能性も指摘されている。
国民投票で離脱を支持しながら、ポンドや株の急落を受けて意見を変えたという参加者もいた。離脱支持の立場を維持しつつ、政府のリーダーシップやEUとの良好な関係を求める声もあった。
残留を主張していたキャメロン首相は10月に辞任すると表明し、離脱手続きの開始は次期首相に委ねる立場を示している。