バングラ人質事件、部隊突入で収束 実行犯射殺

バングラデシュ陸軍准将は治安部隊が突入して「作戦は終了した」と述べた

2016.07.02 Sat posted at 17:00 JST

(CNN) バングラデシュの首都ダッカで1日夜に発生した武装集団によるカフェ襲撃、人質を取っての立てこもり事件で、同国の陸軍幹部は2日、治安部隊が突入して人質14人を救出し、実行犯6人を射殺したと発表した。

死傷者の有無、人質や襲撃犯の総数などの詳細は不明だが、人質救出作戦を指揮したムジブール・ラーマン陸軍准将は「作戦は終了した」とし、事件は決着したとの見方を示した。解放された人質の国籍などは伝えられていない。

ただ、人質や実行犯の人数については情報が錯綜(さくそう)しており、同国のハシナ首相は記者会見で人質は13人と指摘。襲撃犯の6人が現場で射殺され、1人が捕捉(ほそく)されたとも述べた。

日本の萩生田光一官房副長官は2日の記者会見で、突入で12人が助け出されたとしたが、この中に日本人が含まれているのかについては確認を避けた。

目撃者の証言によると、治安部隊の突入後、激しい銃撃戦が約10分間続いた。発砲した際、「神は偉大なり」と叫んだのが聞こえたとの証言もある。警察当局は籠城(ろうじょう)した襲撃犯との接触で要求事項を聞き出そうとしたが返答は一切なかったとの情報もある。

ダッカ首都圏の警察当局幹部は、カフェ近辺に配置されていた警官2人が死亡し、銃撃戦や爆発などに巻き込まれた負傷者は約40人と述べた。

この事件では過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」系列のメディア「アマク」が犯行への関与を認めたが、一部の米政府当局者は疑問視している。その根拠は伝えられていない。

米情報機関に近い筋はCNNの取材に、今回の犯行はISISではなく国際テロ組織アルカイダがインド亜大陸に設けた「支部」が関与している可能性が大きいと指摘。初期段階の分析としながらも、アルカイダ系組織は過去数カ月間、ダッカで自らの存在を誇示する犯行を重ねている事実に言及した。

犯行の現場となったカフェは同国在住の外国人に人気があり、同店従業員によると6~8人の武装集団が侵入した際、店内には外国人を含む約20人の客がいたという。

カフェは米国大使館などの外交公館が密集する地区から1.5キロ以内にある。ダッカ駐在の米大使館によると、事件に巻き込まれた同国外交官などはいない。

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