「英EU残留派を養子に」、ルーマニア紙が冗談キャンペーン

失意のEU残留派に向けてルーマニアの新聞がユーモラスなキャンペーンを展開

2016.06.30 Thu posted at 17:22 JST

(CNN) 欧州連合(EU)からの離脱を選択した英国の国民投票で、残留を望んでいた多くの国民は自分の国を失ったような思いを味わっている。

そうした英国人に欧州の一員として残留する希望を与えようと、ルーマニアの日刊紙ガンダルが、ユーモアを込めてルーマニア人と英国人の養子縁組を提唱するキャンペーンに乗り出した。

キャンペーンはルーマニア人を意味する「Romanians」と、残留を意味するremainからつくった派生語「Remanians」を組み合わせて、「Romanians adopt Remanians(ルーマニアンズがリメイニアンズの里親に)」と命名。「EUの統一を信じる英国人の皆さんへ。離脱派や争いや悪天候から離脱して、暖かいルーマニアの家庭で新しい生活を始めましょう」と呼びかける。

キャンペーンサイトは、英国人を養子に迎えたいルーマニア人用と、EUの一員でいたい英国人用のコーナーに分かれ、ルーマニア人のコーナーには「残留に投票し、欧州の価値観を共有する善良な人たちは、私たちの親類になるに値します」と記されている。

英国を飛び出し、EU加盟国で新生活を始める道も

フェイスブックを通じてログインすると、英国人を養子にしたいというルーマニア人を紹介してもらえる。CNN記者が登録したところ、「あなたの友人、ラデュ・ロービンがあなたを養子にしたがっています」というメッセージが届き、ルーマニア風に変えられた名前の入った身分証明書の見本が表示された。

ルーマニアは2007年にEUに加盟した。しかしEU域内の移民反対派から標的にされ続け、同紙の報道によれば、フランスを追われた外国人の約4分の1はルーマニア人だった。

英国では国民投票の結果を受けてヘイトクライムが急増。多くの場合、矛先は東欧からの移民に向けられている。

ガンダル紙は移民を巡るそうした緊張を和らげようと、これまでにもユーモアを込めたキャンペーンを展開してきた。

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