6月30日は「小惑星の日」、地球衝突の可能性に警鐘

2014年に地球に接近した小惑星の軌道

2016.06.30 Thu posted at 12:43 JST

(CNN) 6月30日を「小惑星の日」として小惑星が地球に投げかける現実の脅威に警鐘を鳴らしている団体が、今年も世界各国でセミナーや映画上映会などの啓発イベントを実施している。

6月30日は、シベリアの森林に巨大隕石が落下した1908年の「ツングースカ大爆発」の日に当たる。米航空宇宙局(NASA)によれば、この衝突の衝撃で約2600平方キロにわたって樹木がなぎ倒され、60キロ以上離れた場所でもバルコニーや椅子から人が投げ出された。

小惑星の日は、そうした小惑星衝突の危険性を認識してもらおうと、宇宙物理学者で英ロックバンド「クイーン」のギタリスト、ブライアン・メイ氏らが提唱し、スティーブン・ホーキング氏などの著名科学者も賛同していた。

地球に衝突する可能性のある小惑星は100万を超す。だがこれまでに発見できているのはそのうちの1%にすぎないという。

小惑星の日の推進団体は、小惑星の発見率をあと10年で100倍に引き上げる目標を設定。メイ氏は「小惑星の衝撃について多くを知るほど、人類は借りてきた時間の中で暮らしていることがはっきりする」とコメントした。

2004年にも小惑星が地球から約120万キロの距離を通過

NASAは探査衛星「NEOWISE」を使って地球に衝突する可能性のある小惑星や彗星を観測している。同衛星は2013年以来、72個の地球近傍天体を新たに発見。うち8個を、地球に接近または衝突して被害をもたらす可能性のある天体に分類している。

ただし現時点では、近い将来地球に衝突する恐れのある大型の小惑星は見つかっていないという。

ただし安心はできない。2013年にロシアのチェリャビンスク上空で爆発し、1000人を超す負傷者を出した隕石は、事前に発見できていなかった。

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