フォルクスワーゲン、1.5兆円支払いで米当局と和解

フォルクスワーゲンが最大147億ドルの支払いで和解

2016.06.29 Wed posted at 18:12 JST

ニューヨーク(CNNMoney) ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題をめぐり、米司法省などが起こしていた民事訴訟は28日、同社が違反ディーゼル車を買い取る費用などとして147億ドル(約1兆5000億円)を支払うことで和解が成立した。

自動車会社の和解金としては過去最大の規模となる。ただし同社は今後、さらに刑事裁判にかけられたり、環境保護規制違反に対する制裁金の支払いを命じられたりする可能性がある。

イエーツ司法副長官は、VWの不正行為は「我が国の消費者、環境関連法に対する史上最悪の違反」だと断じ、「大気環境がこうむった被害は取り返しがつかないが、それを埋め合わせることはできる」と強調した。

VWが支払う金額のうち最大100億ドルは、米国で販売されたVWやアウディの不正車48万7000台の買い取りなどに使われる。車の所有者は2018年5月までに、買い取りに応じるか、車を修理に出すかを選ぶことができる。

買い取りにかかる費用は1台につき1万2500~4万4000ドル。和解金の総額は、所有者が全員買い取りを選んだ場合を想定して計算した。

所有者は修理を選んだ場合も、車の価値が下がったこと、VWの「クリーン・ディーゼル」という売り文句にだまされたことへの補償金として5100~1万ドルを受け取ることになる。

不正車を環境保護規制に合うよう修理する方法は、今のところ承認されていない。環境保護局(EPA)のマッカーシー長官は、今後6カ月以内に解決策が見つかることを期待していると述べた。

残った額のうち27億ドルは環境対策に、20億ドルは排ガスが出ない「ゼロ・エミッション車」の開発に回す。環境対策費は、各州が老朽化したトラックやバスの買い替えなどに使う見通しだ。

VWは規制を逃れる目的でディーゼル車に違法なソフトウェアを装備し、検査時の排ガス量を操作していたことを認めている。実際の汚染物質排出量は最大で許容量の40倍に達していた。

VWのミュラー最高経営責任者(CEO)は「問題是正への取り組みを極めて重大にとらえ、この和解が大きな前進となることを信じている」「米国の消費者の信頼を回復するために、やるべき仕事がまだたくさんある」と述べた。

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