トルコ空港テロ セキュリティーは機能したのか

アタチュルク国際空港が自爆犯に襲われ、多くの死傷者が出た

2016.06.29 Wed posted at 17:47 JST

(CNN) トルコの最大都市イスタンブールのアタチュルク国際空港で28日夜、武装した3人が空港を襲撃して自爆テロを行い、少なくとも36人が死亡した。

アタチュルク国際空港は利用客が世界で11番目に多く、格好の標的とみられてもおかしくはないだろう。しかし、特に懸念されるのは、同空港は世界の他の空港と比較してもより厳しい警備態勢を取っているということだ。

旅行者は2度の検査が義務づけられている。1度目は国際ターミナルの建物に入る前に行われ、2度目はパスポートチェックの後に行われる。車両の検問も国際ターミナルの入り口から約500メートル離れた場所で行われる。そこでは、不審な車両が止められ、検査を受ける。

それでは、どのように襲撃は行われたのだろうか。

CNNの特派員によれば、国際便の到着ロビーには弱いところがあり襲撃犯に利用された可能性がある。国際便の出発ロビーへの入り口は警備が厳重で、X線や金属探知機が使われる。しかし、到着ロビーはそれよりも警戒レベルが低く、襲撃犯の2人は到着ロビーに進入してきたとみられているという。

到着エリアへ向かう人々は金属探知機を通らなくてはならないが、警備は手薄だという。 3人目の襲撃犯は駐車場で自爆した。最初のX線を使った保安検査が行われる、その外側だった。襲撃犯が最初からここで自爆する目的だったのかは不明だが、ここでも空港における警備の問題点が浮かびあがる。

2001年の米同時多発テロのような飛行機に搭乗してそれをコントロールするような犯行を防ぐために検査を実施することはできるが、襲撃犯は検査が始まる前のエリアを狙うよう目標を変えることができる。

保安当局の対応はどうだったのだろうか。

監視カメラには、トルコの保安当局者が襲撃犯の1人に発砲したとみられる映像が写っている。襲撃犯は地面に倒れ、銃が床に転がる。保安当局者が近づくが、すぐに危険を察知したようで、自爆直前に走って逃げた。

目撃者によれば、襲撃には迅速な対応が取られたという。

襲撃が続き、自爆犯が何人いるかわからないなか、治安当局者は人々を空港の奥へと誘導した。

避難者の1人は、他の人々と一緒にゲート224の近くにある安全ゾーンの店舗に隠れたという。そこに約4時間とどまったが、空港の別の場所から爆発音が聞こえてきたという。この女性は、「保安要員の人々はするべき仕事をした」と語った。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。