ワシントン(CNN) 米大統領選へ向けた新たな世論調査が2件実施され、両方の結果から民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が共和党の実業家ドナルド・トランプ氏を上回る支持を得ていることがわかった。ただし、リードの幅には差がみられる。
米紙ワシントン・ポスト(WP)とABCニュースが実施した調査では、クリントン氏の支持率が51%と、トランプ氏の39%を12ポイント上回った。
一方、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースの調査ではクリントン氏46%、トランプ氏41%と、支持率の差が5ポイントにとどまった。
トランプ氏の選挙戦は最近、選対本部長の解任や資金集めの難航に加え、自身の運営する「トランプ大学」をめぐる裁判の判事について、メキシコ系の出自のために偏向しているとの主張を展開して批判を浴びるなど、つまずきが目立っている。
リバタリアン党の ゲーリー・ジョンソン元ニューメキシコ州知事ら第3の候補を考慮に入れた場合、WP/ABCの調査ではクリントン氏が10ポイントのリードを維持したが、WSJ/NBCの調査ではリードの幅が1ポイントまで縮まった。トランプ氏の選挙参謀、ポール・マナフォート氏は「WSJ/NBCの調査のほうが好ましい」と話している。
WP/ABCの調査では、「クリントン氏には大統領にふさわしい資質がある」と答えた人が61%を占める一方、「トランプ氏はふさわしくない」との回答が64%に上った。
また大統領に適した人格、気質を備えた候補として、クリントン氏を挙げた人はトランプ氏の2倍を超えた。「トランプ氏が大統領になると思うと不安になる」との回答は70%に上るのに対し、クリントン氏について同様の気持ちを抱く人は50%にとどまっている。
WSJ/NBCの回答者の内訳をみると、アフリカ系米国人からの支持率はクリントン氏が87%で、トランプ氏は5%。ラテン系ではクリントン氏が69%、22%だった。女性の支持率もクリントン氏が52%と、トランプ氏の35%を上回った。
一方、トランプ氏は白人の間で49%対37%、男性で48%対38%、無党派層で40%対30%と、クリントン氏を上回った。
WP/ABCの調査は20~23日に成人1001人、WSJ/NBCの調査は19~23日に成人1000人を対象に実施された。