米軍A10、高速道路で着陸訓練 ロシア国境近く

対地攻撃機A10

2016.06.26 Sun posted at 17:55 JST

(CNN) 米軍の欧州軍空軍当局者は26日までに、北欧エストニアでの合同軍事演習で米空軍の対地攻撃機A10型機4機がロシアとの国境に近い高速道路上に着陸する訓練を実施したと報告した。

この種の訓練は冷戦時代には珍しくなかったが、今回は過去30年余で初めてとなった。

「セーバー・ストライク16」と呼ばれる今回の軍事演習は米軍の欧州軍陸軍の主導。計13カ国が参加し、エストニア、ラトビアやリトアニアのバルト海沿岸3カ国が舞台となっている。北大西洋条約機構(NATO)加盟国やパートナー国に対し米軍はいかなる緊急事態にも対応可能な準備態勢にあることを示すのが狙いとなっている。

エストニアはNATOの一員で、ロシアとは約295キロにわたって国境を接する。ロシア・サンクトペテルブルクとの距離は約161キロと近い。

NATOとロシアとの関係はウクライナ危機などを背景に緊張状態にあり、バルト海3カ国ではロシアへの警戒感も高まっている。

対地攻撃機A10

CNNの取材に応じた米空軍の退役将校によると、ロシアがこれら3カ国に攻撃を仕掛けた場合、数に制限がある飛行場の制圧が最初の作戦目標となる。それだけに航空機が着陸可能な代替場所の確保が3カ国の東部地帯の防御線構築に必要不可欠となる。

米軍の欧州軍空軍の報道担当者は今回の高速道路着陸訓練について航空機乗員の関連技術の習熟に必要と強調した。

ロシアとの関係緊迫化に伴い、バルト海3カ国とポーランドはNATO軍兵力の自国内配備の増強を要請。ロイター通信によると、ロシアはリトアニアとポーランドの間に挟まれる飛び地の自国領カリーニングラードに2019年までに核兵器搭載可能な最新型ミサイルの配備も計画している。

ドイツ週刊誌ツァイトは22日、ロシアがバルト海沿岸諸国の制圧に踏み切った場合、NATO側の防衛手段が追い付かない速度で完遂させる可能性があるとする米軍の欧州軍陸軍司令官の発言を紹介した。

A10が高速道路で着陸訓練

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