北京(CNN) 中国・山西省の地方銀行の従業員8人がステージ上に立たされ、棒で尻をたたかれる場面の動画がソーシャルメディアに流れて物議をかもしている。
動画は19日以降、中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボー)」で広くシェア(共有)されている。
棒を持った男性が、一列に並んだ従業員を順に強くたたきながら2往復する。たたかれた女性がバランスを崩す。ディナーのテーブルからそれを見守る人々が、見ていられないというように顔をそむける様子も映っていた。
中国のメディアは当初、たたいているのは従業員の上司だと伝えた。しかし地元当局の声明によれば、この男性は銀行が組織づくりを目的として実施した研修の講師だった。講師はさらに、罰として男性従業員1人の髪を半分そったとされる。
声明によると、銀行は上海の業者に研修を依頼していた。講師は参加した従業員216人を27チームに分けて競わせた。最下位になったチームの男女4人ずつのメンバーを前に並ばせ、成績の悪さを反省しろと言って尻をたたいたという。
この講師は騒ぎを受けて謝罪のビデオを投稿し、「私自身にとっても良い勉強になった。教え方を改善しなければならないことがわかった」と述べた。
CNNは銀行と研修業者、講師本人にコメントを求めたが、返答は得られていない。
地元紙の新京報によると、2日間にわたる研修に銀行が支払った費用は10万元(約160万円)。当局の声明によれば、同銀行の監督機関ではこの問題に絡み、幹部2人が解任されたという。
動画は参加者が投稿し、国営メディアが取り上げた。これを見た市民らから厳しい非難が集中した。同じような研修を見たことがあるという声もあがっている。
ウェイボーのある女性ユーザーは、自分の会社の研修でも従業員らが生卵を食べさせられたり、髪をそられたりしたと振り返り、「私自身は罰を受けなかったが、思い出すたびに屈辱的な気持ちになる」「上司たちは全て業績向上のためだと正当化するのだろう」と書き込んだ。
中国の銀行、みんなの前で行員尻たたき