五輪控えるリオ州、深刻な財政難で非常事態を宣言

リオ五輪に向けて工事が進む

2016.06.18 Sat posted at 16:35 JST

(CNN) 五輪開幕を8月5日に控えるブラジルのリオデジャネイロ州政府のドルネレス知事代行は17日、重大な財政難に直面し公共サービス提供に懸念が生じているとして非常事態を宣言した。

州政府の官報で発表した。深刻な景気後退に襲われ、州政府は五輪関連の責務遂行が出来なくなっていると指摘。治安維持、保健衛生、教育、交通機関や環境対策などで非常に困難な状況に遭遇しているとした。

非常事態宣言は五輪に備えての追加の資金ねん出を目指したものだが、財政支援の要請先や具体的な支援額については明確にしなかった。連邦政府からの支援を期待しているとみられる。

五輪の主催組織はリオデジャネイロ市だが、同州政府も大会絡みの事業支出に一定の責任を担っている。この中にはいまだ完工していない地下鉄の新路線などがある。新路線は同市と最大規模となっている4つの五輪関連施設を結ぶものとなっている。

国営ブラジル通信によると、五輪開催組織委員会の報道担当者は同州政府の措置は大会に悪影響を与えないとし、競技開催は保障されていると強調した。

地下鉄の延伸も急ピッチで進められている

南米最大の規模を誇るブラジル経済は過去数カ月間、1930年代以降では最悪とされる減速にあえいでいる。政府統計によると、国内総生産(GDP)は今年1~3月の第1四半期にマイナス5.4%と萎縮した。特に、石油資源が豊富なリオデジャネイロ州は原油価格の下落で大きな打撃を被った。

一方、リオデジャネイロ市のパエス市長はツイッターで州の今回の対応策と距離を置き、市の財政状態は間違いなく健全であると強調。市が責任を負う競技施設や関連事業の多くは既に工事が終了していると主張した。

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