MacにもSiri登場、メッセージなど開放 アップル開発者会議

アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)

2016.06.15 Wed posted at 12:05 JST

サンフランシスコ(CNNMoney) 米アップルはサンフランシスコで開いた年次世界開発者会議(WWDC)で、MacやiPhone、iPad、Apple TV、Apple Watchなど多様な製品向けOSの更新版を披露した。年内に正式公開を予定している。

ティム・クック最高経営責任者(CEO)は13日のイベントの冒頭、12日にフロリダ州オーランドで起きた銃乱射事件の犠牲者をしのんで黙祷をささげ、「アップルのコミュニティーは世界中の人々で構成されている」「我々は多様性を誇りとする。それが私たちを強くさせ、あらゆる人を前進させている」と力を込めた。

この日の大きなテーマとしてアップルは、音声アシスタントの「Siri」やメッセージ、地図などのツールを他社の開発者に開放すると発表した。登場5年目となるSiriが、台頭する競合他社のスマートアシスタントに追いつくためには不可欠な動きだった。

他社のサービスと連動させることにより、例えばSiriに頼んで配車サービス「ウーバー」の車を呼んだり、食品デリバリーの注文をしたり、決済アプリを使って友人に送金したりすることが可能になる。

MacにもようやくSiriが導入され、ファイルを検索したり検索結果を保存したりできるようになる。

Mac OSの名称変更

Mac向けのOSは、「OS X」の登場から15年を経て、「macOS」(コードネーム「Sierra」)と改称された。

Macにも導入されることになった音声アシスタント「Siri」=Shutterstock/CNNMoney

メッセージのスナップチャット化

メッセージアプリも開発者に開放される。IT各社はメッセージングアプリに力を入れ、「スカイプ」や「フェイスブック・メッセンジャー」などの機能強化を図っている。アップルの「メッセージ」にはステッカーアプリや送金アプリが追加され、ランチの注文や同僚との共同作業、料金の支払いなどもメッセージでできるようになる。

人気アプリ「スナップチャット」に対抗して絵文字は3倍の大きさで表示されるようになり、絵文字のボタンをクリックすると、自動的に絵文字に入れ替わる単語の候補が表示される。写真やビデオに文字やイラストを入れたり、アニメ画像の紙吹雪や花火などの背景を加えたり、その時の気分に応じて文字を拡大・縮小したりもできる。

写真アプリはグーグル的に

写真アプリはグーグルの写真アプリに対抗した自動化機能が加わる。新しい顔認識機能では、例えば妹の顔をタップすると妹が写った写真をすべて表示。場所や物体(パリ、海など)も認識してライブラリの中から検索できる。

写真やビデオをライフイベントごとに整理して、それぞれの「メモリー」に自動的に仕分けする機能も導入される。

メッセージや写真のアプリも他社製品の機能強化に合わせて刷新

Apple Watchにミニー登場

Apple Watch向けOSは次期バージョン「watchOS 3」のプレビュー版が公開され、これまでのミッキーマウスに加えてミニーマウスが登場した。

サイドボタンを押し続けると緊急通報ダイヤルの911につながるSOS機能や、リラクゼーション用の「Breathe」アプリ、指先で画面にメッセージが書ける「Scribble」などの新機能も加わっている。

Apple TVのログインが簡単に

Apple TV向けの「tvOS」の次期バージョンではシングルサインオンに対応した。個々のネットワークアプリそれぞれにログインしなくても、ログイン情報とパスワードを1回入力するだけで済む。

次期OSのプレビュー版が公開されたApple Watch=Apple

留守番電話の音声を文字に変換

iPhoneやiPad向けOSの次期バージョン「iOS 10」では留守番電話の内容を文字に変換できる新機能が登場。音声で伝言を聞く必要はなくなる。

iOS 10は7月に試験版が公開され、正式版はこの秋に登場する。

音楽サービスの刷新

会員制音楽ストリーミングサービスの「Apple Music」はすっきりした外観になり、自分の端末上にある楽曲とクラウド上にある楽曲が区別しやすくなるほか、歌詞を表示するツールも組み込まれる。

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