(CNN) 米国史上最悪の49人の犠牲者を出したフロリダ州オーランドの銃乱射事件で、死亡したオマル・マティーン容疑者が事前に事件現場となったナイトクラブや近くにあるウォルト・ディズニー・ワールドを訪れ、下見をしていたと見られることが分かった。捜査当局者が14日に明らかにした。
事件はオーランドのナイトクラブ「パルス」で12日未明に発生。負傷した53人のうち、まだ28人は入院中で、少なくとも4人が重体になっている。
当局者によると、マティーン容疑者は1~6日にかけて事件現場となったパルスと、ディズニー・ワールドのショッピング街「ディズニー・スプリングス」に出かけていた。当局はこれまでの捜査から、下見が目的だったとの見方を強めている。
ディズニーの警備担当者が米連邦捜査局(FBI)に語ったところでは、マティーン容疑者はその1カ月ほど前の4月26日にもディズニー・ワールドへ出かけていた。この時は妻も一緒だったことから、夫の意図を知っていたのかどうかについて、当局は妻からも事情を聴いている。
同容疑者が犯行に使った銃を購入したのは、下見に出かけたのと同時期の6月上旬だった。
犯行当日の12日は、銃乱射事件を起こす数時間前に再度ディズニー・スプリングスを訪れていたことも判明。この時は1人だったという。
ディズニー・スプリングスなどオーランドの各地では5月31日~6月6日にかけて、同性愛者の祭典「ゲイ・デイズ2016」のイベントが開かれていた。
当局や同僚によると、マティーン容疑者は同性愛者に対して強い嫌悪感を示すことがあったとされる。一方で、同容疑者が同性愛者向けの出会い系アプリを使っていたことや、パルスの常連客だったことも分かっている。
同性愛者に対する差別が引き金となって同容疑者が犯行に及んだのか、自分の性的指向に対する葛藤があったのか、または通報電話で口にした通り過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に感化されていたのか、現時点では分かっていない。当局はあらゆる角度から捜査を行い、動機の解明を進めている。
当局がマティーン容疑者の電子機器を調べたところ、ISISの斬首ビデオなど、イスラム過激派の情報を検索していた痕跡もあった。
オバマ大統領は14日に開かれた国家安全保障会議(NSC)の会合後、外国テロ組織がマティーン容疑者に犯行を指示した形跡はないと指摘。「こうしたローンウルフ(一匹狼)や小規模テロ集団は極めて探知が難しく、阻止するのも極めて困難」と語った。