米フロリダ乱射、容疑者はISISに「忠誠」 入念に準備か

米オーランドのナイトクラブで銃乱射事件があった

2016.06.13 Mon posted at 12:00 JST

フロリダ州オーランド(CNN) 米フロリダ州オーランド中心街にある同性愛者向けのナイトクラブで12日未明、男が銃を乱射し、50人が死亡、少なくとも53人が負傷した事件で、オーランド警察の責任者は同日、「犯人は事前に犯行を計画、準備していた」と述べた。共犯者は見つかっていないという。

男は米国生まれのオマル・マティーン容疑者(29)。当局者によると、犯行現場からかけた緊急通報電話で過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に忠誠を誓い、ボストン・マラソン爆破テロ事件に言及していた。

イスラム過激派系のサイトに犯行声明は出ていないが、ISIS支持者らのフォーラムには犯行を称賛する書き込みが相次いだ。ISIS系の違法サイトには「ISISの戦闘員」による犯行だとするアラビア語のメッセージが書き込まれた。ただISISが指示したとは主張していない。

マティーン容疑者は1986年にニューヨークで生まれ、最近はオーランドから南東へ約190キロ離れたフォートピアスに住んでいた。容疑者のアパートを家宅捜索した警察は、爆発物の恐れがあるとして同アパートに住む約200人を退避させた。

同容疑者は2007年以降、民間警備会社に警備員として勤務。09年にウズベキスタン出身の女性と結婚したが、11年に離婚手続きをしていた。

容疑者宅に対する捜査が行われた

アフガニスタン出身の両親によると、容疑者は同州マイアミで男性同士がキスしている場面を見て激怒していたことがあるが、特に信心深かった様子はなく、ISISとのつながりもうかがえなかったという。

米連邦捜査局(FBI)の当局者が12日午後の記者会見で語ったところによると、FBIは13年と14年、同容疑者が自爆テロ犯に共感を示したとして本人に事情を聴いたことがあるが、脅威を及ぼす人物ではないと判断していた。犯行の時点で当局の捜査や監視の対象にはなっていなかった。

過去2週間以内にけん銃などを合法的に購入していたとされるが、犯行に使われた銃かどうかは明らかになっていない。

同容疑者は午前2時ごろに突撃銃とけん銃を持ってナイトクラブ「パルス」に侵入し、銃を乱射してそのまま立てこもった。警察が同5時ごろに装甲車で建物に突入し、同容疑者を射殺した。店内では11日深夜からイベントが開かれ、300人以上の客が集まっていた。

死者のうち39人と容疑者本人は現場で、残る11人は搬送先の病院で死亡が確認された。犠牲者の数は2007年に起きたバージニア工科大乱射事件の32人、2012年にコネティカット州の小学校で起きた乱射事件の27人を超え、米史上最悪の銃撃事件となっている。

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