「リオ五輪は安全」、ジカ熱不安に五輪組織委が強調

2016.06.08 Wed posted at 17:45 JST

リオデジャネイロ(CNN) ブラジルのリオデジャネイロ五輪組織委員会は7日に開いた記者会見で、感染症のジカ熱に対して選手や観客の不安が高まっていることを受け、「大会に参加する全ての人を守ることができると100%確信している」と強調して懸念の払拭(ふっしょく)に努めた。

記者会見ではスライドを見せながら、冬に向かってジカ熱の感染者は減りつつあると強調。同じように蚊が媒介するデング熱やチクングニア熱の感染者数も減っているとした。

組織委の医療専門家は、大会期間中にジカ熱の影響を受けるのは、旅行者100万人につき1.8人のみとする試算も公表した。

大会が開かれる8月はブラジルの冬に当たり、蚊はほとんどが死に絶えることから、感染のリスクは激減すると当局者は主張する。

既に症例数は大きく減り始めているという。保健当局によると、リオデジャネイロのジカ熱の症例は今年に入って2万6576例が確認され、ピークは2月の7232例だった。しかし5月に確認された症例は702例にとどまっている。

五輪組織委が記者会見を開き、ジカ熱に対する懸念の払拭に努めた

リオデジャネイロ五輪に対しては、科学者や医師など150人が大会の延期や会場の変更を求める公開書簡を発表。「大会のために世界中の国から50万人の外国人観光客が訪れれば、不必要なリスクにさらされ、ウイルスに感染して帰国後にその国で流行を発生させる恐れがある」と指摘していた。

ブラジルではジカ熱の影響で、障害を持って生まれる子どもが急増している。同国でジカウイルスが検出されてから、これまでに保健省が確認したジカ熱関連の小頭症の症例は1489例。さらに3000を超す症例についても関連が疑われるとして調査している。

世界保健機関(WHO)は妊婦に対し、ジカ熱が流行している地域への渡航を避けるよう勧告。そうした地域から帰国した人に対しては、少なくとも8週間は安全な性行為を心掛けるよう促した。

ただ、リオ五輪によってジカ熱が世界に拡散しかねないとの懸念については、「2016年五輪を中止したり場所を変えたりしても、ジカウイルスの国際的拡散が大きく変わることはない」とWHOは予想している。

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