金正恩氏はあまりに「幼く衝動的」 韓国国防相 CNN EXCLUSIVE

韓国の韓民求国防相

2016.06.08 Wed posted at 11:53 JST

シンガポール(CNN) 幼くて軽率、そして衝動的――。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長を、韓国の韓民求(ハンミング)国防相はそう評した。韓氏はシンガポールで行われた国防関連の会合で、CNNとの単独インタビューに応じた。

「正恩氏が権力の座に就いたのはまだ27歳の時。準備期間はほとんどなかった。しかも同氏は非常に幼く、経験もない」と、韓氏は指摘する。

正恩氏が核・ミサイル技術の完成を急いでいるのは確かだ。今年に入ってから繰り返している発射実験は、北朝鮮としても異例のペースといえる。

「父の金正日氏を考えてみると、18年間にわたった同氏の体制でミサイル実験は18回ほど。正恩氏はこれまでの4年間で25回も実施している」という。

北朝鮮は核弾頭を小型化し、ミサイルに搭載することができると主張しているが、韓氏は信じていない。ただ一方で、「習うより慣れよ」という言葉もあると懸念を示す。

「小型化の技術開発が進めば、核を別の方法で、例えば大砲からの発射や核機雷のような形で使うことができるようになるかもしれない」

正恩氏は最近の朝鮮労働党大会で北朝鮮は核保有国だと宣言し、今後も保有国であり続けると述べた。米国や韓国はこれを認めない立場だ。

韓氏は「米韓など各国は北朝鮮の核保有を決して容認しない。したがって非核化への圧力をかけ続ける必要がある」と強調した。

金正恩氏

韓氏をはじめとする韓国当局者らは、最近の国連制裁がその手段になると確信している。正恩氏は核開発に生き残りをかけ、指導体制の土台とも位置付けているが、制裁によって同氏を追い込み、核開発をやめるよう説得できるとの考えだ。

非核化は平和的手段で実現できるかとの質問に、韓氏はただ「平和的にやるよう努力しなければならない」と答えた。

北朝鮮が最近、韓国に軍事協議を提案していることについては、北朝鮮側の策略にすぎないとの見方を示した。

「北朝鮮の核・ミサイル計画が核不拡散体制と国際規範を無視し、朝鮮半島の平和と安定を脅かしていることは周知の事実だ。北朝鮮は非核化への誠意を示し、交渉の場でそれを裏付ける必要がある」と、韓氏は語る。

その一方で、韓国が北朝鮮の脅威から自力で身を守る能力には限界があるとの認識を示し、米国の高高度防衛ミサイルシステム(THAAD)を配備することでそれを補えると主張した。

米韓両国の当局は数カ月前から韓国内の配備場所や手続き、費用負担などについて話し合いを続けている。

韓氏は軍事的観点から、韓国の防衛にはTHAADが必要だと主張。「すでに世界中が知っているように、北朝鮮は短距離から中、長距離に至るミサイル能力を持ち、一部については今も開発を続けている。しかし韓国にはミサイルを最終段階で迎撃する能力しかなく、限界がある」と説明した。

米軍が北東アジアに軍事システムを配備することに対し、中国は反対の声を上げている。韓氏はこれについて、「専門家や技術者に来てもらい、装備を実際に見たうえで判断を下してもらいたい」と述べ、「米韓両国は中国との戦略的対話を強化し、進めていくことが重要だ」と力を込めた。

「金正恩氏は幼く軽率」 韓国国防相

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