(CNN) イラク軍は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」支配下にある中部ファルージャの奪還をめざし、同市の南側と北西側から攻勢をかけている。また、ISISが「首都」と称するシリアの都市ラッカに対してもシリア軍が攻撃を仕掛けている。
軍部隊はファルージャ中心部の南方約5キロに位置するヌアイミヤを掌握し、4日には市南部へ攻め込んだ。
軍の統合作戦司令部によると、北西へ約10キロ離れたサクラウィヤも同日、軍部隊が奪還を果たし、町の中心となっている建物に国旗を掲げた。
軍はISISが町内の数百カ所に仕掛けた即席爆弾を捜すため、通りをくまなく調べている。
また米軍が主導する有志連合の戦闘機は、町の南側を流れるユーフラテス川にボートを浮かべて逃走しようとしていたISIS戦闘員らを空爆し、乗っていた全員を殺害したと発表した。
有志連合は3日にも、ファルージャ市内でISISの司令部とトンネル網を空爆し、数十人の戦闘員を殺害していた。
軍部隊は、4日の進撃の結果、ISISがファルージャと西方や北方の地域を結ぶ最後の足掛かりを失いつつあるとの見方を示した。
同市は2014年1月、イラクの都市として初めてISISに制圧された。これまで2年以上の間、イラク軍部隊がここまで奪還に近付いたことはなかった。
さらに隣国シリアでも、ISISが「首都」と称する北部ラッカの奪還作戦が展開されている。在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団」によると、シリア軍は4日、ロシア軍の空爆援護を受けて同市内へ攻め込んだ。
シリア軍がラッカへ入ったのも約2年ぶり。これに先立つ3日間の激戦で、少なくともISIS戦闘員26人、軍兵士9人が死亡したという。
国連によると、シリア内戦ではこれまでに全国で25万人以上が死亡、1000万人以上が家を追われている。