FIFA前会長ら、5年で86億円の報酬 ボーナスや昇給で

FIFAのブラッター前会長ら幹部3人に巨額の報酬が支払われていた

2016.06.04 Sat posted at 10:33 JST

(CNN) 汚職問題に揺れる国際サッカー連盟(FIFA)の内部調査を担当した弁護士らは4日までに、ゼップ・ブラッター前会長ら幹部3人がボーナスや昇給という形で、任期最後の5年間で計7900万スイスフラン(約86億円)を受け取っていたことを明らかにした。

弁護士らによると、ブラッター氏とジェローム・バルク前事務総長、マーカス・カットナー前事務総長代理は2011~15年、報酬を上げるために協調した動きを行ったとしている。3人は毎年の昇給やワールドカップ(W杯)のボーナスなどの形で多額の報酬を得ていた。

FIFAは調査結果を受け、3人に有利となる一連の契約変更が承認された方法に深刻な疑問が生じると言及。こうした契約変更がブラッター氏らに巨額の資金を支払う結果につながったと述べた。

3人への報酬の支払いが法律に抵触しているかは不明。FIFAはスイス法に違反しているように見えると述べた。

FIFAは内部調査の結果を既にスイスの司法当局と共有しているといい、米司法省にも報告する方針。

ジェローム・バルク前事務総長

一方、ブラッター氏の代理人は一連の支払いを擁護する声明を発表。ブラッター氏への支払いが適切かつ公正なものであり、他の世界の主要プロスポーツ機構のトップの報酬とも一致していることをFIFAに示す意向だとしている。

今回の調査ではまた、2011年のFIFA会長選挙の直前、バルク氏とカットナー氏の契約が8年半延長された点にも疑惑が及んでいる。FIFAが公表した文書によれば、この契約は2019年まで延長され、給料やボーナスを大幅に引き上げるほか、退職金の支払いも保証する内容だったという。

当時、ブラッター氏は会長に再選されるか不透明な状況だったが、バルク氏とカットナー氏は、ブラッター氏が会長選に敗れ両氏が職を失ったとしても巨額の報酬を受け取る契約だった。

さらに、2010年南アフリカW杯の4カ月後、契約にない「スペシャルボーナス」として3人が2350万ドルを受け取った疑惑も持たれている。またカットナー氏とバルク氏は、2014年のブラジルW杯と2018年のロシアW杯に関連する巨額のボーナスなども受け取っていたとされる。

スイス当局は昨年9月にブラッター氏、今年3月にバルク氏に対する刑事手続きを開始したが、両氏の逮捕には至っていない。

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