ファルージャ奪還作戦、ISISの抵抗で激戦に

イラク軍がファルージャの奪還に向けて軍事作戦を実施=イラク国防軍

2016.06.01 Wed posted at 17:10 JST

(CNN) イラク軍が中部ファルージャの奪還に向けて開始した作戦は31日、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が同市南郊で激しく抵抗し、死者が出る激戦となった。

イラク軍幹部が匿名でCNNに語ったところによると、軍の部隊は夜明けとともに同市へ突入する計画だった。これに対してISISの戦闘員は車を使った自爆やロケット弾、狙撃銃などで反撃した。同幹部はイラク側に死者が出たと述べたが、具体的な人数は明かさなかった。

激戦の現場となったのは、ファルージャ南方でイラク軍とISISを隔てる最後の一線となっていた農村ヌアイミヤだった。

ISIS側は、イラク軍がファルージャ南部へ攻め込むのを阻止したと主張。兵士少なくとも25人を殺害し、軍車両6台を破壊したとしているが、CNNは真偽を確認できていない。

ファルージャは首都バグダッドの西約65キロに位置する

イラク軍のマリキ大将は30日、国防省が公開したビデオを通し、軍がファルージャを包囲したと発表。軍部隊はイラク空軍と有志連合の上空援護を受け、同市中心部へ攻め込む段階に入ると宣言していた。

これにともない、市民が戦闘に巻き込まれる危険性も増大している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報道官によると、市中心部ではISISが数百世帯の住民を「人間の盾」にしているとの情報もある。UNHCRにはまた、激しい砲撃で住民が死亡したという報告も入っている。

UNHCRによると、奪還作戦が始まってからの1週間で600世帯余り、約3700人の住民が退避したものの、市内に残る推定5万人が危険にさらされている模様だ。

イラクではファルージャと北部モスルの2都市が依然としてISISの支配下にある。

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