クルド人部隊、イラク北部で奪還作戦 兵士5500人を投入

クルド人部隊ペシュメルガが、ISIS支配地域へ攻勢をかけている

2016.05.30 Mon posted at 11:22 JST

(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が支配するイラク北部モスルの近郊で、クルド人自治政府の治安部隊ペシュメルガが29日早朝、複数の村に対して大規模な奪還作戦を開始した。

作戦にはペシュメルガの隊員約5500人が参加。有志連合も空から援護している。

クルド系メディア「ルダウ」によると、ペシュメルガの部隊は「ザラバニ特殊部隊」と呼ばれるクルド民兵組織とともに、ISISに占拠された村の奪還を図っている。

これらの村にはもともとクルド人が住んでいた。ザラバニ部隊の隊員はルダウとのインタビューで「村を解放すれば、我々と同じクルド人の住民が帰宅できる。警備も我々が担当する」と語った。

ペシュメルガの進軍が迫撃砲や路肩爆弾に阻まれる場面もあった。ザラバニ部隊の報道官はルダウに「ISISには我々の部隊が見えているが、こちらからは彼らが見えない。民家やトンネルに隠れているからだ」と説明した。

作戦の最終目標はモスルの奪還とされる

同報道官によると、作戦の最終目的はモスルにある。モスル奪還作戦は数カ月前から計画が進められ、イラク軍や有志連合も参加する。

クルド人自治区治安委員会(KRSC)も作戦開始を発表した声明の中で「モスル攻撃に向け、近郊でISISへの圧力を強める作戦の一つだ」と述べた。

ここから南へ約640キロ離れた中部ファルージャでも最近、イラク軍が奪還作戦の開始を宣言した。これにともない住民たちが退避したが、国連は「まだ数万人の住民が残っている」と懸念を示している。

隣国シリアでも先週、クルド人とアラブ人の部隊が米軍の支援を受け、ISISが「首都」と称する北部ラッカの北郊へ攻め込んだ。

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