今度はナイルワニ、外来種の侵入続く 米フロリダ州

ナイルワニ。米フロリダ州でも生息が確認された

2016.05.22 Sun posted at 15:46 JST

(CNN) 米フロリダ大学の研究チームは22日までに、同州の湿地帯で捕まっていたワニ3頭はアフリカに固有の外来種であるナイルワニであることが判明したと報告した。フロリダ州内でのナイルワニの生息の確認は初めてとみられる。

研究チームは声明で、フロリダ州に固有な鳥類や哺乳(ほにゅう)動物に加え、他種のワニが危険な外来種であるナイルワニの餌食になる恐れもあると警告し、何らかの対応策を講じる必要性を強調した。

ナイルワニとわかった3頭は2009年、11年と14年にそれぞれマイアミ市近くで発見され、DNA検査で種類が確認された。

ナイルワニは現存する爬虫(はちゅう)類の中で2番目に大きい。生息地のアフリカでは凶暴な性格で知られ、人間を捕食することもある。体長は18フィート(約5.5メートル)にまで成長し、その重さは小型車ほどになることもある。

研究チームによる報告書は、爬虫類の保護と生態に関する科学誌に掲載された。

ナイルワニはアフリカで住民多数を襲っており、10~14年の襲撃件数は約480件で、犠牲者は123人とのデータもある。

フロリダ州は、危険な外来種の生息数が世界最大規模だという

今回発見されたナイルワニ3頭のDNA検査では共通点が多く、南アフリカの個体と極めて近似していることを突き止めた。

報告書は、多くのナイルワニが過去10年、南アやマダガスカルなどのアフリカ諸国から輸入され、フロリダ州にあるテーマパーク「ディズニー・アニマル・キングダム」で公開されていると指摘。3頭が湿地帯で見付かったことについては、同州内での珍しい動物のペット取引が原因の可能性があるとした。

米国立公園局によると、フロリダ州内では近年、危険な外来種の生息が相次いで発見され、問題となっている。これらの種にはキューバズツキガエルやビルマニシキヘビも含まれる。

これら外来種の一部の侵入や生息は同州固有の生態環境に異変をもたらしており、州当局は対応策を強いられている。世界最大のヘビであるビルマニシキヘビの場合は、生息数を減らすため捕獲大会も毎年開催されている。

危険な外来種の生息数では、亜熱帯気候のフロリダ州が世界最多とされている。

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