タリバーン最高指導者、米軍の空爆で死亡か

タリバーンの最高指導者、マンスール幹部が死亡した可能性がある

2016.05.22 Sun posted at 10:10 JST

ワシントン(CNN) アフガニスタンの反政府武装勢力タリバーンの最高指導者、マンスール幹部が21日、米軍の空爆で死亡したとみられることが分かった。米当局者2人がCNNに語った。

一方の米当局者によると、空爆は同日の米東部時間午前6時ごろ、アフガン南西部のパキスタン国境付近で実施された。米特殊部隊が複数の無人機により、車で移動していたマンスール幹部を狙って攻撃した。同乗していた戦闘員1人も死亡したとみられる。民間人の被害は出ていないという。

米当局が成果の確認を急いでいるという。もう1人の当局者である政権高官によると、現場は遠隔地だったため、具体的な証拠を得るまでには数日間かかる見通しだ。

空爆はオバマ米大統領の承認を得て実行された。国防総省は声明でこの攻撃を確認したが、マンスール幹部が死亡したかどうかは明言しなかった。

同省のクック報道官は声明で「マンスール幹部はタリバーンの指導者として、首都カブールをはじめとするアフガン各地での攻撃計画に積極的に関与し、アフガンの市民と治安部隊、米軍要員や同盟国に脅威を与えていた」「タリバーン指導者らをアフガン政府との和平交渉に出席させないなど、和平と和解を妨げる存在だった」と述べた。

米共和党のタカ派の1人、グラハム上院議員はこの知らせを歓迎する声明を発表。オバマ大統領に対し、現地の情勢が許すまでアフガン駐留部隊を撤退させてはいけないと改めて呼び掛けた。

タリバーンは昨年夏、2013年にパキスタンで死亡した最高指導者オマール幹部の後継にマンスール幹部が就任したと発表した。

マンスール幹部はタリバーン旧政権の航空・運輸相を務め、パキスタンでの拘束を経て06年9月に帰国。10年にオマール幹部の副官となり、昨年からパキスタンの都市クエッタに置かれたタリバーンの最高意思決定機関、指導者評議会(クエッタ・シュラ)のトップに立っていた。

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