2年前に集団拉致された女子生徒、1人を保護 ナイジェリア

2年前に拉致された少女の一人が見つかった

2016.05.19 Thu posted at 10:54 JST

(CNN) ナイジェリアのテロ組織「ボコ・ハラム」が2014年にナイジェリア北東部のボルノ州チボックから女子生徒を集団で拉致した事件で、拉致された女性の1人が2年ぶりに発見され、保護された。ナイジェリア軍が明らかにした。

女性は乳児を連れ、夫を名乗る男と一緒だった。当局はこの男がボコ・ハラムのメンバーだった疑いがあると見て取り調べている。

保護された女性はアミナ・アリ・ヌケキさん。17日夜に森の中から出て来たところを発見された。ヌケキさんは2014年4月14日にチボックにある学校の寮から連れ去られた女子生徒約200人の1人だった。

この事件では276人が拉致され、うち少なくとも57人は直後に脱出したが、残る200人あまりは行方が分からなくなっていた。ナイジェリア軍などによると、解放されたのはヌケキさんが初めて。

解放された経緯については情報が錯綜(さくそう)している。ナイジェリア政府は軍の部隊が救出したと説明する一方で、目撃者はCNNの取材に対し、ヌケキさんは子どもと男性と一緒に同国北東部のサンビサ森からさまよい出て来たと話している。

この森にはボコ・ハラムの拠点があると見られており、拉致された女子生徒がここにいる可能性も指摘されていた。

ボコ・ハラムに対抗するため住民らが組織した自警団のメンバーがCNNに語ったところでは、17日午後7時ごろ、森林付近をパトロールしていたところ、若い女性が乳児と男性を伴って森の中から姿を現した。

拉致事件はナイジェリア北東部のボルノ州チボックで発生

女性は自分の名を名乗り、チボックで拉致された生徒の1人だと説明して助けを求めた。3人とも健康状態は良くない様子だったという。男性はヌケキさんの夫で乳児の父親だと説明し、自分もボコ・ハラムに拉致されてサンビサ森に連行され、ヌケキさんと結婚したと語ったという。

自警団に連れられてヌケキさんは自宅に戻り、母のビンタ・アリさんと再会を果たした。

一方、ナイジェリア政府は、政府軍が民間部隊と協力して救出作戦を展開し、ヌケキさんを救出したと説明している。夫を名乗る男についてはボコ・ハラムのテロリストの疑いがあるとして取り調べていることを明らかにした。

ヌケキさんが連れていたのは生後4カ月の女の赤ちゃんだった。

チボック村や学校の関係者も、救出された女性が連れ去られた女子生徒の1人だったことを確認し、親類の男性も、女性が母親と再会したことを確認した。

当局は19日にヌケキさんを男と共にボルノ州の州都マイドゥグリへ行かせ、健康診断などを受けさせる予定だという。

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