(CNN) イラクの首都バグダッド市内の3カ所で17日、爆弾テロが相次ぎ、治安当局者らによると少なくとも46人が死亡した。
死傷者が最も多かったとみられるのはイスラム教シーア派地区サドルシティーでの爆発。車に仕掛けられた爆弾が炸裂(さくれつ)し、近くに仕掛けられていたもう1台の車爆弾を処理班が無効化した。
バクダッド北部のシャアブ地区では2回の爆発があり、少なくとも19人が死亡、44人が負傷した。内務省によると、このうち一方は女の自爆犯による犯行だった可能性がある。
さらに市南部の市場でも自爆テロが発生し、少なくとも3人の死者が出た。
過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が系列のアマク通信を通し、シャアブ地区での爆発について犯行声明を出した。
同国ではこの1週間のうちに、ISISの攻撃で100人以上が死亡していた。
11日にはバグダッド市内で複数の爆弾が爆発し、少なくとも90人が死亡。翌日は同市の警察署で2人が自爆し、警官3人が死亡した。
13日にはバクダッドから北へ約80キロ離れたバラドの喫茶店がISISによる銃撃を受け、20人の死者が出た。
週末にはバグダッド南郊で車爆弾により2人が死亡、同市北郊にあるガス工場での爆発で10人が死亡した。
同国では政情不安で生じた治安の空白に乗じ、テロリストらが新たな攻勢に出ているとみられる。一方で米軍主導の有志連合はISIS拠点への空爆を続け、イラク政府軍はISISに占拠されていた中部ティクリートやラマディをすでに奪還。ISISがイラク最大の拠点とする北部モスルの奪還作戦も計画している。
中東研究の専門家、カーク・ソーウェル氏は先週、CNNとのインタビューで「ISISの軍事力は下り坂で、支配地を維持するだけの部隊がない状態だ」と指摘。「ただあいにくなことに、民間の標的を狙ったテロ攻撃は彼らの得意分野だ」とも語っていた。