絶滅危惧種の魚死ぬ、侵入者が生息地でらんちき騒ぎ 米

絶滅危惧種の魚が死んでいるのが見つかった

2016.05.16 Mon posted at 14:45 JST

(CNN) 米ネバダ州の自然保護区でこの地にしか生息しない希少な絶滅危惧種の淡水魚「キプリノドン・ディアボリス」の生息地が荒らされ、1匹が死んでいるのが見つかった。米国立公園局やナイ郡の捜査当局は、保護区に侵入した男が魚を殺した疑いがあると見て調べている。

公園局や警察の調べによると、デスバレー国立公園で4月30日、3人の男が自然保護区のデビルズホールに侵入。このうちの1人が裸で浅瀬を歩き回って藻を踏み荒らし、泥を巻き上げる姿が防犯カメラに映っていた。

男たちは汚れた下着やビールの空き缶、吐しゃ物を残して立ち去った。近くにキプリノドン・ディアボリスの死骸があった。死因は不明だが、当局は男たちの侵入が原因で死んだ疑いがあるとみて調べている。国立公園局によれば、キプリノドン・ディアボリスは4月の時点でわずか115匹しか残っていなかった。

国立公園局は、「防犯カメラには浅瀬を歩き回る男の姿が映っており、この男が魚にストレスを与えて踏みつぶした可能性がある。キプリノドン・ディアボリスは動きが遅くておとなしく、天敵がいなくて好奇心が強い」と話している。

当局が公開した防犯カメラの映像

キプリノドン・ディアボリスは体長2.5センチほど。普通の魚類の生息には適さないモハベ砂漠の過酷な環境の中で、何万年も生き続けてきた種といわれる。生息環境が変わっても別の場所へ移すことはできないため、絶滅の危機にさらされている。

侵入した男は藻を踏んだりエサ場を荒らすなどしてキプリノドン・ディアボリスの生息環境を破壊した疑いが持たれている。4月から5月にかけては産卵期を迎えることから、卵が踏みつぶされた恐れもある。

調べによると、3人は散弾銃を持っていて、ウサギを撃ったり飲酒したりして1晩過ごした後にオフロード車でデビルズホールの保護フェンスに到着。フェンスを乗り越え、少なくとも10発の銃弾を撃ってゲートの施錠や防犯カメラを破壊していた。

国立公園局は、3人がオフロード車で現場に乗り付け、浅瀬を荒らす映像を公開した。

3人はいずれもネバダ州の住民で、警察は絶滅危惧種を殺した容疑や器物損壊などの容疑で立件する方針。

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