英女王、中国訪問団は「とても失礼」だったと発言

英エリザベス女王

2016.05.12 Thu posted at 10:18 JST

(CNN) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席が昨年秋に訪英した際の一行について、エリザベス英女王が「とても失礼」な態度だったと批判した映像が公開され、波紋を呼んでいる。

女王は普段、政治に踏み込まない立場を貫いている。異例の発言はバッキンガム宮殿の職員が撮影した。

ロンドン警視庁のルーシー・ドーシ警視長との会話の中で、習主席の訪英時の警備をドーシ氏が指揮したと聞いた女王は「運が悪かったですね」と発言。同氏が「ご存じだったかどうか分かりませんが、あの時は大変でした」と話すと、女王は「知っていました」と答え、一行がバーバラ・ウッドワード駐中国大使に対して「とても失礼」な行動を取ったと語った。

警視庁とバッキンガム宮殿はそれぞれ「私的な会話についてはコメントしない」としている。宮殿の報道担当者は「中国の公式訪問は大成功だった」と強調した。

中国外務省の報道官は定例記者会見で女王の発言について質問を受け、習主席の訪問を機に「中英関係は黄金時代に入った」と強調。ドーシ氏はエリザベス女王との会話で、中国の一行が訪問は中止だと席を立った場面にも言及したが、同報道官は「そのような事実は全く知らない」と述べた。

英国のキャメロン首相

英国では同日、キャメロン首相もエリザベス女王との会話で、ナイジェリアとアフガニスタンが「途方もなく腐敗している」と発言した。ロンドンで近く開催される「腐敗対策サミット」に向けての説明だったが、この場面をカメラがとらえていたことからインターネット上で物議を醸し、ナイジェリアの大統領報道官が抗議する事態となった。

英王室では1980年代、フィリップ殿下が中国で英国人留学生たちに、あまり長く滞在すると中国人のように「目が切れ長になってしまう」と語り掛けたことがある。

チャールズ皇太子は中国が敵視するチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世と親交が深く、習主席を迎えた公式晩さん会は欠席した。

英女王、中国訪問団は「とても失礼」だったと発言

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