(CNN) 北朝鮮で今年2月に処刑されたと伝えられていた北朝鮮の軍幹部が実は健在で、今も朝鮮労働党の運営にかかわっていると見られることが分かった。
朝鮮人民軍の総参謀長だった李永吉(リヨンギル)氏は、派閥争いや権力乱用、汚職にかかわった罪で処刑されたと伝えられていた。しかし朝鮮労働党機関紙の労働新聞が労働党大会に関連してこのほど掲載した名簿には、李氏が政治局の代理委員として名を連ねていた。
今年2月の時点で北朝鮮情勢に詳しい韓国政府当局者はCNNの取材に対し、李氏は処刑されたと語っていた。しかしこの高官は10日、誤った情報に基づいて李氏が処刑されたと判断していたと述べ、「北朝鮮が李氏の写真や近況を公表したことから、同氏は処刑されていないと信じるに至った」と話している。
韓国の聯合ニュースによれば、李氏は2013年に総参謀長に任命された。現在もこの地位にとどまっているかどうかは不明。北朝鮮は国際社会から孤立して厳重な報道管制を敷いており、今回の出来事で北朝鮮に関する情報を入手する難しさが浮き彫りになった。
北朝鮮では党委員長に就任した金正恩(キムジョンウン)氏が権力基盤を固める目的で処刑を政治利用してきたと伝えられる。
昨年夏には玄永哲(ヒョンヨンチョル)人民武力相が反逆罪に問われて公開処刑され、金氏のおじの張成沢(チャンソンテク)氏は2013年に処刑された。