平壌(CNN) 北朝鮮の朝鮮労働党大会の取材のため北朝鮮に滞在していた英BBCの東京特派員が、「礼儀を欠く」報道を行ったとして一時的に拘束され、国外退去処分となった。
BBCアジア支局長はツイッターで、ルパート・ウィンフィールドヘイズ特派員が9日夕、平壌発の便で北京に到着したことを明らかにした。同僚のプロデューサー、マリア・バーン氏と、カメラマンのマシュー・ゴダード氏も一緒だった。
ウィンフィールドヘイズ特派員は平壌の空港で北朝鮮当局に拘束され、8時間にわたって事情を聴かれた後、謝罪声明に署名させられたという。
北朝鮮当局は、同特派員が先週、北朝鮮国内から「礼儀を欠く」報道を行ったと説明している。
北朝鮮全国平和委員会のオ・リョンイル事務局長は記者会見の中でBBCの取材班に言及し、「地元の習慣や北朝鮮の体制を尊重せず、事実をゆがめた」と批判。「公正で客観的かつ正しい取材を行うべきところを、この国の指導体制についてひどい悪口を言った」と語った。
さらに、ウィンフィールドヘイズ特派員が取材のため北朝鮮入りすることは二度と認めないと述べ、「BBCが真の国際報道機関なら、その国の法制度を尊重し、自分たちの過ちを認めなければならない」と強調した。
この記者会見の中で別のBBC特派員は、ウィンフィールドヘイズ特派員が受けた処遇に関して「尋問された」という言葉を使い、北朝鮮が自分たちとは見解の異なる報道を理由に記者の拘束や処罰を行ったことを国際社会はどう見なすだろうかと問いかけた。
北朝鮮当局者はこの質問に答えないまま退席した。
BBCの広報は、国外退去処分に対して強い遺憾を表明。朝鮮労働党大会の取材は北朝鮮に残った取材班4人が継続すると説明している。