ロンドン市長にサディク・カーン氏、初のイスラム教徒

サディク・カーン氏がロンドン市長に当選

2016.05.07 Sat posted at 11:24 JST

ロンドン(CNN) 5日に投票が行われた英国の統一地方選で、ロンドン市長選では6日、労働党のサディク・カーン氏が当選し、イスラム教徒として初めて欧米の主要都市の首長となった。ロンドンはイスラム教徒が人口の12%を占める。

カーン氏はロンドン生まれで、パキスタン移民の父を持ち、6人のきょうだいとともに公営住宅で育った。法律を学び大学講師などを務めた後、2005年の英下院議会選で当選した。

今回のロンドン市長選では、資産家を父に持つ保守党のザック・ゴールドスミス候補との間で激しい選挙戦が展開。人種や宗教といった争点をめぐり激しい応酬があった。

ゴールドスミス氏は1日付の英紙メール・オン・サンデーで、2005年のイスラム過激派によるテロ攻撃で破壊されたロンドン名物の2階建てバスの写真を背景に、「我々は本当に、テロリストを友達だと思っている労働党にこの世界で最も偉大な都市を本当に引き渡すのか」と問いかけた。

これに対し、イスラム恐怖症に駆られた文章であり、イスラム教徒を含め多様な市民が住むロンドンで不必要な分断を招くものだとして怒りの声が上がっていた。

カーン氏は現職ボリス・ジョンソン市長の後を継ぐことになる。ジョンソン市長は労働党の強いロンドンで2008年、保守党から当選。高い人気を誇るほか、6月23日に行われる英国の欧州連合(EU)残留の是非をめぐる国民投票で、EU離脱を支持している。

SNPのスタージュン党首。SNPはスコットランドで第1党を維持

5日はスコットランドやウェールズでも市長選や議会選が行われた。

スコットランド議会選ではスコットランド民族党(SNP)が最多の議席を獲得したが、過半数には届かなかった。かつてスコットランドで勢力を誇った労働党は、保守党に続く第3党に後退した。

同様に伝統的に左派寄りのウェールズでは、労働党は最大勢力としての地位を維持した。一方で、EU離脱と反移民を掲げる英国独立党(UKIP)がウェールズで初となる議席を獲得した。

UKIPのナイジェル・ファラージ党首は短文投稿サイトのツイッターで、「長年労働党を支持しながらジェレミー・コービン党首に見捨てられた多くの有権者のため、UKIPは立ち上がる」と述べた。

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