パナマ文書、リーク元が声明 「不平等告発が動機」

=Shutterstock/CNN Money

2016.05.07 Sat posted at 10:16 JST

(CNN) 各国要人によるタックスヘイブン(租税回避地)の利用実態を示したとされる通称「パナマ文書」をめぐり、情報源の人物が6日、声明を発表した。世界経済の不平等に関する懸念から大量の文書をメディアにリークしたとしている。

パナマ文書をリークした人物は今回、1800語に及ぶ声明を発表。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)に送られたもので、南ドイツ新聞がリーク元からの声明であることを確認したとしている。

身元については依然として匿名のままであり、性別などの個人情報も明かしていない。書簡には「ジョン・ドウ」(身元不明の男性に使われる仮名)の署名が付されていた。

同声明ではスパイ説を否定。「直接雇用であれ業務委託という形であれ、私はいかなる政府や情報機関のためにも働いておらず、過去にもそうしたことはない」と述べた。

また、所得の不平等が現代の特徴的な問題の一つだと主張。このような見方は個人的なものだとしながらも、「文書の内容について十分に知るうちに、そこに描かれた不正の規模に気付いたため」パナマ文書を共有したとしている。特定の政治目的はないとも述べた。

また、一定の条件を満たせば、パナマ文書を政府や捜査当局が利用できるようにすると述べた。世界各国の政府は不正告発者の保護を強化しなければならないとし、告発者は政府の報復を免れる資格があるとも主張した。

文書のリークで世界中で新たな議論が巻き起っていることは「心強い」としている。

パナマ文書はパナマの法律事務所モサック・フォンセカから流出したとされ、先月公開された後世界中に衝撃が拡大。この文書に基づく報道によると、高い地位にある世界中の当局者が秘密のオフショア(非居住者向け)会社に資産を隠していたとされる。

モサック・フォンセカは、不適切な行為はなく、文書の中には同事務所の顧客でさえない者も含まれていると主張している。

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