(CNN) 米大統領選に向けて共和党から候補指名獲得を目指していたジョン・ケーシック・オハイオ州知事は4日、選挙戦からの撤退を発表した。
テッド・クルーズ上院議員が3日夜、選挙戦からの撤退を表明したことを受け、指名獲得が確実な情勢となっている実業家のドナルド・トランプ氏に挑戦するのはケーシック氏が最後の1人になっていた。
ケーシック氏はオハイオ州コロンバスで記者団に対し、「私がいつも言ってきたように、神は他のあらゆる人と同様、私にも人生の目的を授けてくれている」と主張。選挙戦からの撤退にあたり、神が進むべき道を示してくれるとの信仰を新たにしたと述べた。
勝利への明確な道筋が見えないなか、ケーシック氏は、地元オハイオ州で唯一の勝利を収める前からすでに撤退を求める圧力にさらされてきた。選挙戦では穴馬としての立場から一度も抜け出せず、共和党全国大会で決選投票にもつれ込む前の指名獲得に必要な過半数の代議員をトランプ氏が獲得するのを阻止することが主眼となっていた。
インディアナ州予備選で3日、トランプ氏とクルーズ氏に続く3位に終わった後も、ケーシック氏は選挙戦を続ける意向を表明。4日にはワシントンで集金イベントを予定していたが、コロンバス空港で搭乗した機内で心境の変化があり、親しい友人に電話をかけて「私の心は選挙戦にはない」と伝えたという。
ケーシック氏は共和党から指名を目指す候補者としては若干異例で、オハイオ州でメディケイド(低所得者向け医療保険)拡大を推進するなど、民主党寄りの立場を取ることもあった。民主党党員集会での方が支持を得られたかもしれないと冗談を飛ばしたこともある。
ケーシック氏は他候補を直接攻撃することを避けたほか、他の候補よりもポジティブな姿勢を打ち出すなど、共和党陣営の声高な言動からは距離を置く構えをみせてきた。
ケーシック氏はスイングステート(選挙のたびに民主党と共和党で勝者が変動する州)である地元オハイオ州で人気があることなどから、副大統領候補として名前が取り沙汰されており、今後の選挙戦で再び名前が浮上する可能性もある。