難民収容施設で相次ぐ焼身、豪政府の政策に批判

2016.05.04 Wed posted at 13:28 JST

(CNN) オーストラリアでの難民認定を希望して太平洋の島国ナウルの施設に収容されていたソマリア人の女性が焼身自殺を図り、重体となった。この前にもナウルではイラン人男性が焼身自殺をしており、オーストラリアの移民政策に対して非難の声が出ている。

支援団体によれば、焼身自殺を図ったのはソマリアの苦難を逃れてオーストラリアにたどりついたホダン・ヤシンさん(21)。頭部のけがのため半年間オーストラリアの病院に入院していたが、1週間ほど前、ナウルの施設に強制的に連れ戻されたという。

オーストラリアのダットン移民相は、女性がオーストラリアの病院に搬送され治療を受けていることを明らかにした。

ナウルでは別のイラン人の男性も国連職員の目の前で焼身自殺を図り、搬送先のオーストラリアの病院で1日に死亡していた。

パプアニューギニアの収容施設

相次ぐ抗議の焼身で、オーストラリアの移民政策に対する非難の声が強まっている。

オーストラリアは難民認定を希望して船で漂着した人たちが同国に滞在することは認めず、ナウルやパプアニューギニアの収容施設に移送している。こうした施設には子どもを含む数百人が、数カ月から数年にわたって収容されている。

ダットン移民相は3日、支援団体がオーストラリア政府に圧力をかける目的で難民をそそのかして焼身などの行為をさせていると批判。政府が移民政策を変更することはないと強調した。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2日に発表した声明で、難民認定希望者に対するオーストリア政府の処遇について、「国外に移送し長期にわたって拘束する現行の政策はとてつもない害悪をもたらす」と指摘した。

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