パリ同時テロ容疑者、仏裁判所に出廷も答弁拒む

サラ・アブデスラム容疑者がパリの裁判所に出廷した=ベルギー内務省

2016.04.28 Thu posted at 11:50 JST

パリ(CNN) 昨年11月に起きたパリ同時多発テロの実行犯の1人とされるサラ・アブデスラム容疑者(26)が27日、ベルギーからフランスに移送された。容疑者はパリの裁判所に出廷したが、移送で疲労困憊(こんぱい)しているとして、起訴内容についての答弁は拒んだ。

アブデスラム容疑者の弁護を担当するフランク・ベルトン氏によれば、次回の出廷は5月20日の予定だ。

フランスのウルボアス法相は、容疑者は最高レベルの警備態勢を敷いた独房で拘留されると述べた。

パリ南郊にある刑務所の関係者はCNNに対し、アブデスラム容疑者が拘置される予定であることを認めている。

パリ同時多発テロの実行犯のうち、生存しているのはアブデスラム容疑者のみ。3月にブリュッセルで、ベルギー当局との銃撃戦の末に逮捕された。

アブデスラム容疑者はベルギーのブリュッセルでの逮捕後、パリへ移送された

ベルトン弁護士はCNNの系列局BFMに対し、アブデスラム容疑者は「沈黙を続けることはないだろう」と述べた。また、過激派となった経緯や同時多発テロ前後の状況についての本人の説明に基づいて弁護を行っていく意向を示した上で「彼は自分のこれまでたどってきた道と、自分の役割について語る必要がある」との見解を示した。

またベルトン弁護士は「容疑者は自らが行ったこと(のみ)によって裁かれるべき」であり、唯一の生き残りとなったからといって事件全体の責任を背負わせるべきではないと語った。

ブリュッセルではアブデスラム容疑者の身柄拘束の4日後に空港や地下鉄駅で32人が死亡するテロ事件が発生。当局は、パリの事件もブリュッセルの事件も、同じ過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の組織網が行ったとみている。

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