9歳少年、養子費用を自ら捻出 レモネード売る姿が話題に

ドニーさんとトリスタンくん

2016.04.27 Wed posted at 18:43 JST

(CNN) 米中西部ミズーリ州スプリングフィールドに住む9歳の少年が養子になるための裁判費用を稼ごうと家の庭先でレモネードやクッキーを販売する姿が話題となっている。メディアに取り上げられたことも手伝って、何百人もの人たちがレモネードスタンドを訪れており、これまでにレモネードの売り上げや寄付などで1万ドル以上が集まった。

トリスタンくんは先週末、レモネードやクッキー、ボトル入りの水を販売した。この売り上げは全て、後見人のドニー・デービスさんに渡される。ドニーさんがトリスタンくんを養子として迎えられるようにするためだ。

ドニーさんと夫のジミーさんは、レモネードなどの売り上げで数百ドルの費用がまかなえればいいと考えていた。しかし、地元メディアがこの件を取り上げて話が広がると、庭先には多くの人々が訪れるようになった。

ドニーさんはCNNの取材に、「トリスタンに会うためだけに2時間半も車を運転してくる人もいる」と話す。先週末の23日だけでも600人以上の人が訪れたという。「氷や水やクッキーのために走り回っていた。クーラーに水を入れても、冷える前に売れてしまった」と語る。

これまでのところ、レモネードスタンドでの売り上げや寄付、クラウドファンディングを通じ、1万8000ドルが集まった。さらに集まった分はトリスタンくんの教育基金に回す予定だという。

トリスタンくんの人生は厳しいものだった。

10年前、ドニーさんの前夫が15歳の少女を妊娠させた。彼女が生んだのがトリスタンくんだった。

トリスタンくんが生後3カ月のとき、生物学上の父親が銃に関する連邦法に違反し22年の禁錮刑を受けた。デービスさんは離婚し、トリスタンくんとその母親を支援することに同意した。

その後、ドニーさんはジミーさんと結婚し、トリスタンくんを我が子のように育てた。トリスタンくんが2歳半になったころ、母親が独り立ちをし、トリスタンくんも母親と一緒に暮らすことになった。それでも、ドニーさんはトリスタンくんと連絡を取り続け、週末に面倒を見たり、電話で話したりしたという。

ドニーさんは、トリスタンくんが4歳になるころ、様子が変わりはじめたことに気がついた。汚れた服はトリスタンくんの体には小さすぎた。ドニーさんによれば、母親はドラッグを使用していたようだったという。

児童福祉局に連絡を取るなどしたが、対応は取られなかったという。数カ月後、当局者2人がドニーさんの家を訪れ、トリスタンくんの世話ができるか尋ねたという。トリスタンくんは地元のホームレス用のシェルターに置き去りにされていた。

ドニーさんとジミーさんはその後、トリスタンくんが虐待とネグレクトから回復するのを手伝った。その道のりは簡単ではなかったが、今では、学校でAの成績を取り、友人の作り方もゆっくりとだが身につけつつあるという。

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