アップル、1~3月期は13年ぶり減収 iPhone初の失速

アップルのクックCEO。1~3月期は13年ぶりの減収となった

2016.04.27 Wed posted at 11:49 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 米アップルが26日発表した2016年1~3月期の決算は、売上高が前年同期比13%減の506億ドル(約5兆6300億円)で、13年ぶりの減収となった。主力のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売台数は発売以来初めて減少した。

アップルの四半期ごとの売上高が前回減少したのは03年1~3月期。当時はまだパソコン「パワーマック」が主力製品だった。

現在では同社の売上高の3分の2をiPhoneが占める。そのiPhoneの販売台数が初めて減少に転じた。タブレット端末「iPad(アイパッド)」は減少が続き、パソコン「Mac(マック)」も頭打ち。これにドル高と中国市場の減速が追い打ちをかけた。

ティム・クック最高経営責任者(CEO)は「成長は小休止したものの、我々のチームはマクロ経済上の強い逆風にもかかわらず素晴らしい仕事をした」と強調した。

今回の決算にはアナリストらも悲観的な見通しを示していたが、それをさらに下回る数字となった。アップルの株価は時間外取引で8%下落し、100ドルを割った。

iPhoneの販売台数は、中国で「iPhone6」が発売された前年同期の6120万台から16%減少し、5120万台にとどまった。「6s」は中国でも米国などと同じ昨年9月の発売で、1~3月期の数字を押し上げる効果にはつながらなかった。

アナリストらの予想と比べると、わずかに多い販売台数だった。クック氏によれば、6sへの買い替え率は「5s」を上回っているが、「6」よりはペースが遅い。

一方でインドでの販売台数は56%増となり、Android(アンドロイド)スマートフォンからの移行は過去最高のペースを記録しているという。

iPadの販売台数は前年同期比19%減の1020万台。アナリスト予想をわずかに上回ったものの、9四半期連続の減少だった。

Macは同12%減の400万台で、市場予想を60万台も下回った。米市場調査会社ガートナーによると、全世界の1~3月期のパソコン販売も10%減少した。しかしMacの減少幅は前期に続き、2四半期連続でパソコン市場全体の減少幅を超えている。

アップルの最終利益は前年同期比22%減の105億ドル。過去最高記録を更新していた昨年10~12月期から一転し、13年10~12月期以来の減益に終わった。

売上高は前年同期の580億ドルから13%減。2けた台の減少は01年秋以来だ。米国内の他企業と同様、ドル高による打撃が大きかった。同社によれば、ドル相場が1年前と同じ水準だったと仮定すれば、減少幅は9%にとどまった計算だという。

アップルの売上高は世界の全地域で減少したが、その幅は中国の前年同期比26%減が最も大きかった。

4~6月期の売上高については410億~430億ドルと、前年同期の496億ドルを下回り、アナリストが予想していた474億ドルよりもさらに低い見通しを示している。次期モデルのiPhone7が発売されるまで、しばらく不振が続くとの見方が強い。

明るい材料としては、「iCloud(アイクラウド)」や「iTunes App Store(アイチューンズ・アップ・ストア)」、「Apple Music(アップル・ミュージック)」などのサービス部門がの売り上げが前年同期比20%増の60億ドルを記録した。サービス部門の売上高は現在、iPhoneに次ぐ同社第2の規模となっている。クック氏は、Apple Musicの有料会員がすでに1300万人に達したと強調した。

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