クルーズ氏、メーン州代議員ほぼ独占 強引な戦略との反発も

メーン州からの代議員団を自身の支持者でほぼ固めることに成功したクルーズ氏

2016.04.25 Mon posted at 14:35 JST

メーン州バンゴー(CNN) 米大統領選で共和党の候補指名を目指すテッド・クルーズ上院議員は24日までに、メーン州から党大会に出席する代議員団の顔ぶれを、同氏の支持者でほぼ固めることに成功した。これに対し、指名争いのトップを走る実業家ドナルド・トランプ氏の支持者らが強い反発を示している。

共和党候補を選ぶ7月の党大会には、メーン州から23人の代議員が送り込まれる。3月5日に実施された同州の党員集会では、このうち12人の枠をクルーズ氏、9人をトランプ氏、2人をジョン・ケーシック・オハイオ州知事が獲得していた。

これを受けて23~24日の州大会では、実際に代議員団が選出された。計23人のうち3人は党幹部に割り当てられるため、残り20人の顔ぶれが新たに決定したが、そのうち19人をクルーズ氏の支持者が占める結果となった。

候補者指名争いが党大会での決選投票に持ち込まれた場合、各州から派遣された代議員は予備選や党員集会の結果に応じた候補者に投票するのがルールだ。しかし1回目の投票で過半数に達した候補者がいなければ再投票となり、代議員はそれ以降、州の結果に拘束されず自由に投票できるようになる。クルーズ陣営はこのシナリオでの勝利を狙い、同氏に有利な代議員団の構成を提案した。

トランプ氏の支持者からは、クルーズ氏の手法を非難する声が上がっている

選出された20人の中でただ1人、トランプ氏を支持しているのは同州のルパ―ジュ知事だ。同知事らは、メーン州ではもともと、党大会で2回目以降も党員集会の結果通りに投票する代議員団を選出することで各陣営が合意していたと主張。クルーズ氏を「裏切り者」と非難した。

ルパージュ知事は「クルーズ陣営は欲深い悪党集団だ」と声を荒らげた。これに対してクルーズ氏の側近は、陣営間の合意はもともと成立していなかったと反論している。

党幹部の1人として代議員団に加わるアレックス・ウィレット氏もトランプ氏の支持者だが、代議員団選出の結果についてはあきらめ顔で、「クルーズ陣営は全米で強引な戦略に出ている。正攻法で指名を獲得することが不可能だと分かったから、このようなやり方をするしかないのだ」と語った。

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